ガンダムW
1735話
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帥である。……現在D-120コロニーを占拠している者達よ、今降伏すれば穏便に済ませよう。だが、本格的にこちらと敵対するのであれば、こちらもお前達を反逆者として裁かねばならん。降伏せよ。既にこの地球圏の戦乱は殆ど終わっている。今も暴れているのは、我欲と己の美意識に酔っている者達だけだ。兵士達が、それに従う必要はない』
ノベンタの通信が戦場に響く。
こちらを待ち受けているトーラスのうちの何機かは、その通信を聞いたのか動きが鈍い。
なる程、恐らくあれが有人機なのだろう。
しかも、トレーズに内応はしたものの、完全にトレーズに心酔している訳でもない、と。
『黙りなさい!』
そんな兵士達の状況を見て取ったのか、映像モニタにはまた新しい人物が映し出され、そう叫ぶ。
……うん? トレーズやレディ・アン、ゼクス、ノインといった主要な面子じゃないな。
どこかガッシリとしつつ、目付きには粘着的なものがある男。
この男……どこかで見た事があるような? 俺の気のせいか?
原作知識か? いやまぁ、それが一番大きいんだろうが……実際にこの世界でもその顔を見たような?
『トレーズ派として、自分が正しいと思う事をするのです。ここでシャドウミラーを倒せば、これから先の世界でどれだけの力、権力、金銭が得られるか……それを理解した上で、こちらに与したのでしょう! ここでノベンタ元帥を討つのです!』
そう叫ぶ人物の顔を見て、ようやく俺はそれが誰なのかを思い出す。
以前連合軍の基地にロームフェラ財団からの特使としてやってきた人物、そして原作では自分の手柄の為にゼクスを無理矢理にでも反逆者に仕立て上げようと――実際に反逆者だった訳だが――して、最終的には『ガンダムは、ここにいるぞ』の名言? それとも迷言か? と共にトロワに殺された、人物……アハト。
にしても、何でこいつがトレーズ派にいるんだ? どちらかと言えば、こいつはまんまロームフェラ財団の人間だろうに。
ピースミリオンにいるデルマイユがこれを知ったら、どうなる事やら。
原作だとガチガチの財団派……正確には自分に利益があるからロームフェラ財団に擦り寄っている人物だった。
だからこそ、原作ではロームフェラ財団からの関心を買う為に、無理にでもゼクスを追い込むような真似をしたのだから。
ともあれ、今回の件の裏にいるのがアハトだと考えれば色々と納得が出来ないでもない。
こっちを騙そうとしながら、詰めが甘いところなんかはその典型だろう。
「よし、敵の正体は判明した。こっちに攻撃する奴は問答無用で攻撃してもいい。シャドウミラーを敵に回すという事が、どういう意味を持つのか……井の中の蛙に教えてやれ」
敢えてオープンチャンネルでそう告げる。
アハトにとって
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