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フロンティアを駆け抜けて
フロンティアを駆け抜けて
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注意を向けさせた。だが本命はそちらではなくその下に映っていた影。目の錯覚や影に隠れることによる認識のしずらさに加えて使用される五感ではなく気配を作り出すことによって生まれるフェイントである『死線幽導』の力を自分で体感しその技術の凄さに震える。

「ジュナイパー、『リーフブレード』。ガラガラ、『フレアドライブ』。狙いはマリルリだ」
「……!!」

 ジュナイパーの羽根に今度は鋭くとがった枝がつがえられる。同時にガラガラが二つの骨を器用に回しながら突っ込んでくる。ドラコとの戦いの時とは違い、今回のサファイアは積極的に攻めるつもりのようだ。

「ルリ、『アクアジェット』!」

 ガラガラの骨の間合いに入る前にこちらから素早く懐に潜り込み顔の骨を砕く勢いで殴りつけようとする。だが当たる直前ガラガラの体がすり抜け横に移動した。『影分身』を作って本物は影の中に隠れそれを気づかせないためにわざと派手に骨を回して気づかれないように────

「そうしてくるってルリはわかってるわ! ルリ、『じゃれつく』!!」
「るうう!」
「ガラッ……!?」

 マリルリがガラガラの体に抱き付いて密着し、そのまま転がりながらぽかぽかと殴る。マリルリを狙い撃ちにしようとしたジュナイパーが溜まらず枝を撃つのを止めた。多少乱戦になったところで正確に打ち抜けるコントロールはあるが、子供のようにじゃれ回っていては次の予測が出来ない。下手に撃てばガラガラに当たる可能性がある。

「構わない。ガラガラに当たったとしても大きなダメージにはならない。その為の『リーフブレード』だ」
「ラティ、『冷凍ビーム』!」

 ジュナイパーが指示通り撃とうとした瞬間その羽をラティアスが冷気の光線で凍てつかせ止める。ジュナイパーはバックステップをしながら飛びあがり無理やり羽搏くことで氷状態になることを避けた。ガラガラもマリルリを振りほどき距離を取る。

「ここから反撃よ! ラティ、ルリに『ミラータイプ』!そして『波乗り』よ!」
「ひゅうん!」

 ラティアスの瞳が輝き仲間のマリルリを見る。するとラティアスの紅白の体がマリルリと同じ水玉模様になった。自身が水タイプとなったことでいつもより大きく相手の二体を飲み込む『波乗り』を起こす。ガラガラもジュナイパーも『守る』により自分の影に隠れてやり過ごし波が通り過ぎた後――フィールドにはラティアスだけが残っていた。マリルリもどこかへ消えている。サファイアは一瞬の沈黙の後、ジュナイパーに指示を出した。

「……ジュナイパー、ラティアスに『リーフブレード』!」
「やっぱり……お父様はそうするしかないってわかってた! ルリ、『滝登り』!」

 マリルリが隠れていたのはラティアスの起こした波によって発
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