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フロンティアを駆け抜けて
フロンティアを駆け抜けて
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を覆った。相手の特殊攻撃の威力を弱め、更に自分たちの姿を隠す幻惑の霧。ガラガラはそれに構わず二つの骨をぐるぐると回し、火車の大輪のような炎で霧を掻き消しながら突っ込んでくる。

「ガラガラ、『フレアドライブ』」
「ルリ、『アクアテール』!」

 迎え撃つマリルリの体がゴムまりのように弾み飛び上がり勢いのまま尻尾に水を溜めて巨大な水風船を叩きつけた。マリルリとガラガラがお互いに仰け反り、ガラガラがブレイクダンスのようにバック宙返りをして下がり、マリルリが転がりながらジェムの傍へ戻る。

「炎技でルリの水技と互角の攻撃力……!」
「ルリに特性の『ちからもち』があるように私のガラガラには『ふといホネ』を持たせている。攻撃力を倍にする手段などいくらでもあるということだ」
「だったらこれはどう! ルリ、ジャンケン……『パー』!」

 マリルリが『はらだいこ』によって腕に最大のパワーを溜める。そして物理技でアクアジェットによる水の噴射を直接ガラガラに向けて放った。『ハイドロポンプ』すら凌駕する量と水圧が飛んでいく。

「ガラガラ、『守る』」

 太い方の骨を前に出し片手で回転させてまるで円形の盾のように防御する。対してまるで気軽に踊っているような所作だが、骨の盾は流れ来る水をあっさりと弾き飛ばした。

「そして、ただ強いだけの攻撃などいくらでも受け流せる。では……少しばかりやり過ぎた娘に灸を据えてやろう」
「やり過ぎたのはお父様の方よ……来るよルリ、ラティ!」
「ジュナイパー、『ブレイブバード』。ガラガラ、『シャドーボーン』!」

 ジュナイパーが自身の羽に矢をつがえ放つ。撃たれた一本の矢は猛禽の飛翔のように風を切りラティアスの霧を吹き飛ばし、ガラガラが骨の一本を投げ回転するブーメランのように迫る。二つともが、当たればただの物体以上のダメージを受けることを感じさせるものだ。

「ラティ、『リフレクター』!」
「ひゅううん!」

 ラティアスが自分とマリルリを守る壁を発生させ、矢羽と骨がぶつかる。二つの攻撃を受けて壁は壊れたが、勢いは止まり――骨の影だけが壁をすり抜けマリルリを弾き飛ばした。

「りるっ……!」
「ルリ、大丈夫!?」
「るるう!!」

マリルリが小さな腕で力こぶを作って元気をアピール。いつもの仕草にほっと息をつきながらジェムは考える。

(今の攻撃……お父様のポケモンは影での攻撃が得意なのがわかってたのに受けるまで影に力が籠っているのに気づけなかった)

 ジェムも、そしてこれまでサファイアに挑んだ者達もサファイアのゴーストタイプで統一したパーティーの攻撃手段が影であることは知っている。それでもなお燃える骨から感じた威力は本物そのものでそちらに
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