フロンティアを駆け抜けて
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いなら、ここで逃げずに二体が合体する隙を与えず戦う選択を取るはず)
それが出来ないほどサファイアの切り札は弱くない。それを信じた上で、ジェムは宣言する。
「ラティ、メタグロス……それにダイバ君! 力を貸して!!」
「うん……ここまで来たら勝って終わらせないと気が済まない」
「ひゅうあん!」
「ゴオオオオオ!!」
ダイバがジェムに手を伸ばし、ジェムがそれを握って触れ合う。同時にラティアスとメタグロスの『思念の頭突き』が衝突し合い、メタグロスの変形を利用した合体が始まった。一見大きな隙のように見えるが、メガシンカ同士のエネルギーが二体を包んでおりそれがサファイアに手を出させない。メガシンカによるエネルギーの奔流が終わり、現れたのはメタグロスの鋼によって体をコーティングされまるで本物の飛行機のように丸みと硬さを持ったフォルム。胸にメタグロスのXラインを付けた鋼を纏ったメガラティアスの姿だ。エメラルドが舌打ちしながら笑う。
「出やがったな、俺のレックウザを倒したあの形態が……」
「容赦はしない!ジュペッタ、『鬼火』だ!!」
ジュペッタの特性により先制して放つ『鬼火』は合体後の一瞬をついて火傷にする炎を浴びせる。ラティアスなら『リフレッシュ』や『サイコシフト』で回復は可能だが、ジェムはそれを切り捨てる。
(お父様がそれを計算していないわけない、だからここで勝負に出る!)
その想いは口に出さずともラティアスとメタグロスに伝わっている。握った手から、顔を見なくともダイバも同じ気持ちなのが伝わってくる。超強力な念力による四つの腕が出現し、それぞれがメガジュペッタを打ち抜こうとする。だがジュペッタも自身やサファイア、そしてこの場に在るすべての影を操り無尽の刃を放とうとしているのがはっきりわかった。ジェムの知るジュペッタ最強の攻撃技だ。でもお互い、もう止まらない。
「ラティ、『天河絶破拳』!!」
「ジュペッタ『残影無尽撃』!!」
四つの思念と無限の影、お互いが交錯する。しかし、無限とは夢幻。幽玄とは有限。実際には限りがあり、ラティアスとメタグロスの拳は全てを打ち砕いてメガジュペッタの体を残った一発の拳が打ち抜き────
それを見た全員が決着だと思った瞬間。ジュペッタの体が朧に消えた。
「終わりだジェム……誰も私の『死線幽導』は見破れない!!」
サファイアのジュペッタが放つ最強の大技さえフェイントに使い、本物のジュペッタが合体したラティアスの影から這い出て自分の腕の爪を伸ばして奮う。それはラティアスの鋼の装甲を深々と突き破り、中のラティアスにまで……
「それはどうかしら!」
「何!?」
「ラティ、『ミストボール』!!
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