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フロンティアを駆け抜けて
フロンティアを駆け抜けて
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の気持ちとサファイアの理想どちらを取ったかは誰の目にも明白だ。サファイアは瞳を閉じ、呟いた。


「……負けたのだな、私は。ジェムと……仲間たちの心の強さに」


 ルビーもジャックもエメラルドもサファイアの計画に協力ないし支えていた。サファイアの理想を全肯定はしていなくとも、異を唱えたことはなかったし今もそうだろう。だが、その上でジェム達の気持ちを優先した。その事実を、サファイアも認めるしかないようだった。でも。

「何勘違いしているのお父様? まだ私たちのポケモンバトルは終わってないわ」
「そうだよ。その他大勢のお客さんは見てないけど、僕やルビーにエメラルド、それにジェムと戦ったブレーン達はこの勝負の決着を待ってるんだからね! みんな、出ておいで!」
「お母様、ダイバ君にアルカさんにドラコさん!こっちに来て!!」

 ジェムとジャックの呼び声に控室からルビーとジェムがバトルフロンティアで出会った友達がやってくる。そしてサファイアの入ってきた方からゴコウやネフィリム、エメラルドのフロンティアブレーン達が登場する。中でもダイバ、アルカ、ドラコの三人の子供たちはジェムに駆け寄ってそれぞれ口を開く。

「ありがとうございます、ジェム。……おかげで、生まれて初めて報われた気がします」
「うん、どういたしまして!」
「よくやった。流石だと言いたいが……まだまだ竜の扱いが甘いな、これからゆっくり私が叩きこんでやろう」
「相変わらず厳しいのね……でも、ずっと信じてくれてありがとう」
「僕のメタグロス、借りといて負けるなんて許さないから」
「わかってるわ。ダイバ君、これからもよろしくね」

 なんだか褒めてくれたのはアルカだけだったような気がするけど、でもそれが自分の友達だからいいかなとジェムは思う。向きなおれば、ジェムの父親と母親が会話を終えたようだった。

(何を話したのか気になるけど……後でお母様に聞こう)

 母親とはいつでも電話で話せる。いつでも自分の話を聞いてくれる。そう信じられるから今は聞かない。

「さあお父様……決着をつけましょう!」
「ああ……そうだな。そして私が勝つ」

 サファイアの声はもう取り乱してはいない。そして同時に、ジェムが聞き続けた大人の落ち着いた声ではなく、少し年上の少年のような勝負への期待がある。どんなに無理やりであれ、お客さんの目を気にせず戦える状況になったからかもしれないし自分の中での凝り固まった理想を激しく揺さぶられたからかもしれない。まだ幼いジェムにはわからない。今はただ、憧れだったホウエンチャンピオンがやっと自分に向き合ってくれる。それだけでいい。

「ジュナイパー、ゴルーグ。ご苦労だった」

 パニックが起こり、サフ
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