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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第601話】
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すよ。 もしかしたら夜、ここから眺める景色って綺麗じゃないかなって」

「あら? ……うふふ、もしかして、ここを案内したのはお姉さんが初めてかな?」

「当たりですよ」


 ヒルトのそんな笑顔と言葉に嬉しくなる刀奈、暫く景色を堪能するとくるりとヒルトの方へ身体を向けた。


「ヒルトくん、今日一日ありがとう。 お姉さんに付き合って空母にも潜入してくれたし」

「はは……親父が居たり亡国機業居たりで大変でしたけど――そういえば、目的は達成しました?」

「え? うん、今回のでちょっと線が繋がった感じかな」

「なら良かったです。 刀奈を一人で行かせたら、今頃どうなってたか」

「もう! 私は学園最強の――」

「生徒会長でしょ? ……でも刀奈は一人だと詰が甘くなるからな」

「むぅ……」


 当たっているだけに反論出来ない刀奈は上目遣いでヒルトを睨むのが精一杯だった。

 そんな刀奈の頬に触れたヒルト――いきなりの行為に刀奈は全身の熱が上がる思いだった。

 むに――頬を引っ張られる――間抜けな声が漏れ出た刀奈。


「な、なな――」

「膨れるよりも笑顔の方が良いですよ」


 むにむにとヒルトに弄ばれる刀奈の頬、複雑な表情で抗議の眼差しを送るのだが――ふと、頬を弄るのを止めたヒルト。

 波と風の音、近くを走る車のクラクション以外喧騒は聞こえず、二人っきりだという事実に改めて気付かされ、胸がドキドキと高鳴る。


「ヒルト、くん……」

「何です?」

「……今日は、おねえさんいっぱい頑張ったから……ご褒美がほしいなぁ」


 甘える声――好きだからこそ甘えたかった、ヒルトが居なかったらアメリカ特殊部隊の慰みものになっていたかもしれなかった。

 一昨日、本当に頑張ったのはヒルトだ――専用機持ちとの連戦は幾らなんでも無謀だと思った。

 だけど――ヒルトは勝ち取った――そんなヒルトからご褒美欲しいなんて言うのは我が儘かもしれない、だけど……目の前のヒルトは――。


「何が……欲しいんです?」


 こうして甘えさせてくれる――身をヒルトに預け、上顎を上げて真っ直ぐ見つめる。

 それだけでヒルトは理解した――顔が赤くなり、ゆっくりと近づく唇。

 二人の唇が重なった時、刀奈は時間が止まれば良いのにと再度願った。

 何度も啄む様なキス――どちらからともなく舌を絡ませ、刀奈もヒルトの舌を咥わえて吸い、歯列をなぞるように舌を入れ、絡ませた。

 外だというのに濃厚な口付けに刀奈は酔いしれる――離れた唇の端を繋ぐ唾液の糸が刀奈を更に紅潮させた。


「……えへへ、ヒルトくん。 ありがとう、このご褒美……嬉しかった」

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