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と同時に腹部に鈍痛が走る。痛みに耐え兼ね膝を付くと、その視界に黒髪の青年がいることに気が付いた。
「白竜の・・・」
「影竜の・・・」
「「咆哮!!」」
一瞬のうちに敵の動きを封じ込めた2頭は、隙を与えることなどせずにブレスを放ち、二人を気絶させる。
「お前たちが強いのはよくわかった」
「だけど、俺たちだって強くなってんだよ」
大魔闘演武、冥府の門との戦いで力不足を認識した彼らは、シリルたち同様に己を磨いていた。全ては憧れていながらも、容易く自分たちを払い除けた二人のドラゴンを越えるために。
ザシュッ
「ガハッ」
皆が苦戦しつつも勝利を納め始めていたその頃、唯一圧倒的な力で敵を圧倒している人物がいた。
「これで・・・」
血塗れになりつつある全身黒尽くめの人物の腹部に蹴りを打ち込み宙に上げると、体を屈め、一気に飛び上がる。
「トドメだ!!」
悲鳴を上げることすら許さずに男の体を切りつけたカグラは着地すると剣を鞘へとゆっくりと納める。
切り込まれた青年は、激痛に耐えることなどできるはずもなく、その場に力なく崩れ落ちた。
「正直、力試しにもならなかったか」
マーガレット祭でシリルに圧倒される結果になってしまったカグラは、悔しさを忘れるために、そして強くなるために今まで以上に力を付けてきた。そんな彼女からすれば、今倒れている男は相手としては物足りないのかもしれない。
「カグラさんも終わったんですか?」
弱冠不機嫌になっている剣士の元へ、敵と思われる女性を引きずってきている少女がやって来る。
「そっちも終わったか・・・って、ミリアーナじゃないのか?」
「ミリアーナさんは動きを封じられてまして・・・」
当初と予定が変わってしまったものの、結果的に敵を倒すことができたのでよしと考えていたところ、カグラの目がギョッとする。
「サクラァ!!早く戻してよぉ!!」
なぜなら彼女の後ろから、巨大なオレンジ色の少年?が駆けてくるのだから。
「な!!なんだ!!こっちに来るな!!」
「あっ!!待ってくださいカグラさん!!」
「逃げないでよサクラ!!」
危険を察して思わず逃げ出したカグラとそれを追いかけるサクラとラウル。サクラがラウルを戻し忘れたことが災いし、城内は大騒ぎとなってしまっていた。
ザシュッ
同時に動き出した二人の男女。そのうちの一人、紫色の髪をした青年の腹部に何かが刺さり、その箇所から鮮血が吹き出す。
「幻竜の・・・」
しかし、彼はそれに怯むようなことはしなかった
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