第四十話 神戸に帰ってその十二
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「それは無理なの」
「そんなのだったらね」
「交際出来ないっていうのね」
「誰からもね、まあ声をかけてくる子がいて」
そしてとも言ってきました。
「その子がいい子ならね」
「付き合えっていうのね」
「そうしたらどうかしら」
「うん、じゃあ」
私は少し考えてからお母さんに答えました。
「誰かそうした子いたら私からも勇気を出してね」
「そうしなさいね、それでいい子しかもね」
「教会に来てくれるって言ってくれたら」
「その時はよ」
結婚もというのです、やっぱり私は教会を継ぐのでこのことはいつも頭にあります。そうしたことをお話してです。
夜は過ぎていきました、お風呂に入ってから受験勉強をしますが同じ部屋にいる妹達がお布団から言ってきました。私達姉妹は実家では一緒のお部屋にいます。
「ねえ、天理高校だけれど」
「どうなの?楽しいところ?」
こんなことを聞いてきました、私が受験勉強を終えたところで。
「お姉ちゃんもう三年だけれど」
「いい学校なの?」
「ええ、最初は辛かったけれどね」
一人になってです、不安で仕方なかったです。
「いい先輩もいてくれたしクラスメイトもいい子ばかりで」
「いい学校なの」
「そうなの」
「とてもね」
こう妹達に言いました。
「二人共行かないの?」
「ううん、どいうしようかしら」
「ちょっと考えてるけれど」
二人共お布団の中で微妙なお顔で言いました。
「けれど実家離れるし」
「ここでもおみちの勉強出来るでしょ」
「八条学園に通っていてもようぼくになれるし」
「大学の宗教学科で」
「じゃあ行かないの?」
私は二人の言葉を聞いて微妙なお顔になりました、何か今一つ行きたくないといった感じもしたからです。
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