ハイスクールD×D 革新のリアン 1
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だった。
こんなことは言うべきではないはずなのに。後を追わせてやっても良かった。怒りと呪いを撒き散らせてやっても良かった。なのに、オレはそれを選べなかった。姉妹が過去の自分達に重なって見えてしまったから。だから渡してしまった、悪魔の駒を。悪魔へと転生する妹を見て、自分勝手さに胃の中の物を全て戻し、胃液だけになっても戻し続けた。転生したばかりで体調が優れないはずの妹にまで心配されるぐらいに。
「力が欲しいんだよ、多くを動かせるだけの権力と暴力が」
「リアン」
「ソーナ、お前の言っていることは正しいさ。正しいけど、それが絶対に達せれるわけでもない。オレのは夢も希望もないかもしれない。だが、現実的な物だ。どちらが正しいかなんて陳腐なものはない」
サイコロを回転させるように投げる。
「全てはサイコロと一緒だ。結果が全てだ。過程も大事だと言う奴が居るが、それは間違いだ。その過程もその時点での結果でしかない。過程によって結果が出ているのだし、結果があるから過程がある。何処までを見るかでそれが過程なのか結果なのかが違うだけだ。ソーナ、お前はお前の信じた道を進めばいい。オレはオレの信じた道を進む。アレだけ熱く語ったが、オレと同じ道を歩んでくれなんて言うつもりはない。ただ、オレが進む道はこんな道だって知っていて欲しかっただけだ」
サイコロの回転が止まる。出目は4。そのまましばらく無言が続き、しばらくしてソーナがサイコロを拾い上げて回転させるように投げる。
「私にはリアンが何を思い、何を決断したのかを全て理解することは出来ません。私達の意見は永久に平行線だと思います。お互いにぶつかりあうこともありましょう。ですが、向かう方向だけは同じだと信じています。私は私の道を行きます。貴方をこちらに引き込むつもりもありません。ですから競争です。何方がより遠くまで行けるか、勝負です」
サイコロの回転が止まる。出目は3。真逆の出目が出るか。ソーナは夢想を追う正道を、オレは現実を追う邪道を。ある意味で相応しい出目だ。
ソーナが帰った後の自室で、オレはマリータに膝枕をされながらソファーに寝転がっていた。
「よかったんですか、リアン様?リアン様ならソーナ様を納得させれるはずですが」
「良いんだよ、マリータ。夢を追うことは悪いことじゃない。夢を追って現実とすり合わせないのが問題なんだ」
「そういうことじゃなくて、お好きでしたのでしょう?」
マリータの言葉に胸が痛む。
「そうだな、ソーナのことは好きだ。だから、汚したくなかった。オレが進む道は血と汚泥に汚れた道だ。邪道ってのはそういう道なんだ。脅迫、買収、暗殺、粛清。正道じゃ扱ってはならない手段も扱える。無論、下手をこくような三流
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