357部分:第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその八
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第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその八
「鼻血も多いんです」
「いや、多いというレベルじゃ」
「それが鼻血って」
「有り得ない」
「何、それ」
「凛ちゃんは普通の人より遥かに血の量が多くて出やすいんです」
そうだというのである。
「それでこうして血も流します」
「凄いですね」
劉備は比較的驚いていない。趙雲の次位である。趙雲は少し声をあげただけだった。彼女だけは相変わらずのポーカーフェイスである。
「それはまた」
「はい、もうすぐ起きますよ」
また話す少女だった。
「凛ちゃん、起きた?」
「んっ、風?」
郭嘉は目を開いた。青く奇麗な瞳である。
「まさか私」
「そのまさか。けれどもう大丈夫よ」
「そうなの。御免なさい」
「謝らなくていいから」
それはいいというのであった。
「それよりおお客様だけれど」
「あっ、はじめまして」
ここでだった。劉備達に気付いた。そのうえで慌てて挨拶をする。
「郭嘉と申します」
「はい、はじめまして郭嘉さん」
劉備がにこりと笑って郭嘉のその挨拶に応える。
「劉備です。字は玄徳といいます」
「劉備玄徳殿ですか。名前は覚えさせてもらいました」
もう、であった。郭嘉のその青い目に鋭い知性が宿っていた。そうしてその知性を宿らせた瞳をだ。劉備に対して向けていたのだった。
「そして他の方は」
「うむ、まずは私だが」
関羽をはじめとして他の面々も名乗った。そして。最後には少女が名乗った。
「程cと申します」
「程cさんですか」
「はい、そして」
そうしてであった。程cは己の頭の上にあるその人形を見上げた。するろであった。
「これはです」
「よお、はじめまして」
明らかに程cの声色で名乗ってきた。
「俺の名前は宝ャってんだ」
「なっ、何!?」
「またとんでもない名前だな」
関羽と馬超がその名前を聞いて思わず声をあげた。
「ホ、ホウケイとは」
「そりゃちょっとな」
「おう、そう思うかい?」
人形は二人の言葉に応えてきた。一応人形ということになっている。
「俺はそうは思ってねえんだがな」
「そ、そうか」
「あんたがそうならいいんだけれどな」
「おうよ、いい名前だろ」
また人形が言ってきた。
「これから宜しくな。頑張るからよ」
「うん、お互い頑張るのだ」
張飛はその名前の意味を知らない。
「それじゃあそういうことなのだ」
「嬢ちゃんも宜しくな」
「だとのことです」
程cが人形を見上げながら述べてきた。
「これが私のもう一人の相棒です」
「まあ気にしないでくれよ」
「この人形のことはな」
ロックと蒼志狼もここで言う。
「特にな。考えることなくな」
「そうしてくれ」
「う、うむわかった
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