356部分:第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその七
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第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその七
「御前も名前の綴りを間違えられたら嫌な筈だ」
「随分間違えられたしな」
「ロックさんの世界の文字もやっと慣れました」
少女がふとした感じで言ってきた。
「最初は何かと思いました」
「そこまでややこしかったか?」
「はい」
その通りだとロックにも返す。
「しかし今はです」
「慣れてくれたか」
「ロック、岩ですね」
そしてこうも言うのだった。
「そうなりますね」
「そうだけれどな。しかし妙な感じだな」
「気にしないで下さい」
少女はここではこう言った。
「悪気はありません」
「そうか」
「はい。それで凛ちゃんですけれど」
「そうだ、その郭嘉殿だ」
関羽はこれまで三人の話を聞いていたが少女のその言葉に我に返った。
「大丈夫なのか?それで」
「死んでないかしら」
神楽も本気で心配している。
「これは」
「安心して下さい」
だが少女はこう彼女達に返す。
「全然平気です」
「全然平気なのか」
「本当に」
「はい、平気です」
そしてだ。郭嘉のその頭を抱え上げてだ。首の後ろを叩いた。
「はい、とんとん」
「おい、待て」
「何だそれは」
ロックと蒼志狼が郭嘉の首の後ろを手刀で叩き始めた少女に突っ込みを入れた。
「それでどうなるんだ?」
「郭嘉は死ぬかも知れないんじゃないのか?」
「いえいえ、死にません」
またそれはないと否定する。
「いつものことですから」
「いつも?」
「いつもだったのか?」
「御二人は見るのはじめてでしたか」
おっとりとした口調で話す。
「そういえば」
「はじめても何も」
「それだけ血が出れば死ぬぞ」
二人は二人の常識の中で少女に返した。
「普通はな」
「それで死なないのか」
「ですから凛ちゃんにとっては普通ですから」
また二人に話す少女だった。
「これも」
「ううむ、信じられないが」
「全くだ」
二人は少女の言葉にいぶかしむばかりだった。
「郭嘉は冷静で落ち着いた奴だが」
「だが。血は何だ?」
「鼻血です」
少女はまた話した。
「実はこれ鼻血なのです」
「何っ、鼻血!?」
「それが!?」
「それだけの量が!?」
ロック達だけでなく劉備達もこれには驚いた。
「そこまで流す鼻血!?」
「そんなのあるのか!?」
「まさか」
「凛ちゃんは特別でして」
相変わらず落ち着いている少女であった。
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