0074話『由良改二の前祝いの光景』
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たのだろう。
『あ、提督? どうしたんですか…?』
受話器を取ったのは声からして阿武隈だけど、あれ…? 由良の部屋に電話をかけたつもりだったんだけどな。
それでどうして阿武隈が取ったのか聞いてみることにした。
「阿武隈か? 確か私は由良の部屋へと電話をかけてみたんだけど掛け間違ったか?」
『あー大丈夫ですよ。ちゃんと由良ちゃんの部屋であっています。はい』
「そうか。ならいいんだけど…」
『今長良型で由良ちゃんの改二決定を祝していたところなの』
「なるほど…背後で聞こえてくるどんちゃん騒ぎは長良達の声か」
『はいー。』
阿武隈の楽しそうな声と背後での長良達の声が聞こえてくる。
うん、大変元気があってよろしい。
「それじゃ少し由良に代わってもらってもいいか…?」
『わかりましたー。由良ちゃん、提督がお呼びですよー』
『はーい』
それで由良の元気な声が響いてきて阿武隈に代わって由良が受話器を持ったのか、
『提督さん、由良になにかご用ですか?』
「うん。もうそちらでは前祝をしているようだけど私からも言わせてもらおうと思ってね。由良、改二決定おめでとう」
『あっ…ありがとうございます。由良、嬉しいです…』
受話器越しで少し泣きが入っている由良の声が聞こえてくる。
おそらく長良達のおかげですでに涙腺が緩くなっているのだろうな。
「それでだけど少しいいか…?」
『はい。なんでしょうか』
「由良は夕立に好かれていたよな」
『はい。夕立は私のことを慕ってくれているのは知っていますけど…どうしたの?』
「うん。夕立が由良の改二を祝いたいって事で今頃間宮さんのところでケーキ作りを教わっているだろうと思うんだ」
『本当ですか! わぁ…嬉しいな。ね、ね? それって夕立から聞いた事なの?』
「ああ。直接私に改二の事を聞きに来て由良の改二が決定したって話をしたらとても喜んでいたぞ。ケーキを贈るんだってはりきっていたしな」
『そっかぁ…嬉しいな。ぐすっ…』
それで受話器越しにまた感極まっているのか由良のぐずる音が聞こえてきた。
「まぁそんなわけだから改二になった日には素直に夕立の贈り物を受け取ってくれ」
『わかっています。夕立からの贈り物なんてとても嬉しいから…』
それで少し元気が出たのか由良の声にどこかハリが出ていた。
「まぁそれはそれとしてなにか私も改二祝いを考えておくから期待しておいてくれ」
『提督さんからももらえるなんて…もう嬉しすぎて由良、改二になる日まであまり嬉しすぎて眠れそうにありません…』
「そうか。でもそこら辺はしっかりと体調を整えておいてくれ。いざ改二になるだろう日に熱なんて引いたら少し情けないからな」
『わかっています。由良、体調管理に関してはし
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