別荘へ
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てくれた内容によると、男爵は伯爵の用事で不在で、その間の事は全て伯爵が取り仕切っているらしい。また、伯爵は地位は伯爵ではあるものの、その権力と財力は公爵に匹敵すると言われ、援助を乞う者が大勢いるために、こうして田舎に隠る事が多いのだという。
そのような話を聞きながら、長い廊下を曲がってしばらくすると金細工が豪華な白塗りの扉の前で立ち止まる。
「こちらが応接室でございます」
小声で説明された後、女中がノックをし中に呼び掛ける。
「伯爵様。ソフィア様をお連れ致しました」
「ソフィア嬢、中にどうぞ……」
間髪置かずにベリルの涼やかな声が響き、女中が扉を開けた。
「さ、ソフィア様……」促されてしずしずと部屋に入ると、背後で扉が閉まる音が聞こえた。
「やはり、ヴァプラの見立ては間違いないですね。さ、ソフィア、こちらへおいでなさい」
ベリルの、鈴が奏でるような涼やかな声音と、差し出された手に誘われるように、ソフィアはゆっくりとベリルの座るソファのある暖炉の傍へと歩きだした。
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