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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第598話】
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「お、おい、あの子すげえぞ」

「一発も当たってないどころか、ゾンビを全く近寄らせない!」

「な、何者なんだ……」


 ガンシューティングゲームの周りに集まる群衆――てか平日のゲーセンなのに集まりすぎだろ。

 弾切れの度に画面外を撃つ俺に対して、リズムに乗るように刀奈は巧みな二挺拳銃扱いを見せ、周りの目を釘付けにしていた。

 最終ステージ――怒濤のゾンビラッシュ、多勢に無勢といった感じで襲い来るゾンビを俺はひたすらヘッドショットで倒していく。

 衆人環視の元、いよいよラスボスが現れた。

 互いにカバーしあい、弱点に弾丸を撃ち込む俺と刀奈――気付けば俺も刀奈もノーダメージでラスボスを倒した。


「ふふっ、私達二人にかかればこんなものね」


 両手でガンスピンを決め、二挺のコントローラーを元にあった場所に収める刀奈。


「てか俺いらなかったっすね」

「あら? ヒルトくん居なきゃ、お姉さんやられてたわよ」


 互いにハイタッチする俺と刀奈――俺もガンコントローラーを元に戻す。


「あ、あれ、あの子……見たことがあるような……?」


 観衆の一部が刀奈を指差した――ギョッとする刀奈は俺の手を取るや。


「ヒルトくん、あっちに行きましょ!」

「あ、了解です」


 刀奈に連れられ、その場を後にする俺と刀奈。


「あっ、思い出した! あの子どっかで見たことがあると思ったら、ほら『ISモデルショット』九月号表紙の更識楯無だ!」

「うわっ、超有名人じゃん。 ……てかさっき、男連れてたよな?」

「くっそー! やっぱ彼氏持ちかよ! 羨ましいぞ、コノヤロー!!」


 ヒルト等がいなくなった後の出来事である。

 とりあえずあの場を離れた俺と刀奈はプリクラコーナーへと入っていた。


「うふふ、ヒルトくんはどのフレームが良いかしら?」

「フレームは……これなんかどうですか?」


 そう言って俺が選んだフレームは犬や猫が入り乱れるファンシーなフレームだった。

 刀奈は嫌な顔一つせず、笑顔を見せると。


「ええ、それでいいわよ? それじゃあ――これでよしっと、後は何を書きましょうか」


 くるくるとペン回しをする刀奈、何か閃いたのか画面に書き始めた。

 画面に書かれた文字はロシア語だった。

《Я тебя люблю》と書かれていて全く読めなかった。


「これでよしっ」


 満足そうに頷く刀奈、タッチパネルを操作すると機械音声がシャッターを切りますと喋った。

 フレームに入るように刀奈は寄り添ってくる――内心ドキドキしつつ、カウントダウンが始まる。

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