黒衣を狙いし紅の剣製 FINAL
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いる。素直に言って調子に乗られても面倒だし、ついこの間あいつのことを元文学少女だと言ったりばかりだ。それを根に持っていて絡んでくる可能性も十分に考えられる。
かといって……受け取った本を読まなかったらそれはそれで絡んでくるだろう。何故こうもあいつが絡むことはどっちに転んでもあいつが主導権を握れそうな展開になっているのだろうか。
「はぁ……年々あいつの腹の内が黒くなってる気がしてならない」
「だったら……さっさと主はやてと身を固めるんだな。あまりこのことに口を挟むつもりもないが、我らが主の相手に今のところ認めているのはお前だけだ。それに見ていてむず痒くもあるからな」
「あのな……その手のことは俺よりもお前の主に言って欲しいんだが」
俺だってお前の主の言動に振り回されてるところはあるんだから。俺はあいつの二度目の告白をいったいいつまで待ってればいいんだよ。六課が解散するときにもう少し待っておけと言っていたが、一向にないんだが。前以上にデートとかには誘われているけども……
「言いにくいからお前に言っているんだ。別にテスタロッサやなのはを選んでも構わんが、あまり時間を掛けられると次の相手を探すのも難しくなる。私としてはヴィヴィオが独り立ちできる年齢になる前には決着をつけてほしいところだ」
「ヴィヴィオが独り立ちって……急かしてるようで大分期限があるんだが」
「何年お前達の関係を見てきたと思っている? 何かきっかけがない限りそう簡単に変わらんのは分かっているさ。だからそれなりに気長に待つと言っているんだ」
反論しにくい状況ではあるが……はやてとしてはお前やシャマルの未来も心配しているのだが。
美人で胸も大きいのにちっとも男が寄ってこん。私の自慢の家族やのに世の中の男は何見とんねん! と前に一緒に酒を飲んだ時に言っていたし。
「そいつはどうも……ただ俺達は俺達のペースで進むだろうさ。同年代と比べたら俺も含めて仕事に偏ってるだろうしな」
「……そうだな……まあ私としてはお前達が幸せになってくれればそれで良い」
「その言い方だとお前がその輪の中に入っていないように思えるんだがな。お前の主はお前も幸せじゃないと幸せにはなれないって言う奴だぞ」
「ふ……それもそうだな。まあ今こうして生きているだけで幸せなのだが……私も私なりに更なる幸せを探してみるさ」
ああ、そうさ。
俺もお前も……これからまだまだ長い人生を歩んでいく。その中で多くの出会いと別れを経験するだろうが、それでも前を向いて歩いて行くんだ。
悲しいことや残酷なことにも巻き込まれるかもしれない。だけど喜びや幸せを感じる時間もある。それを重ねながら俺達は成長し変わっていくんだろう。
これからがどうなるかなんてそれは誰にも分からない。だけどこれだけは
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