黒衣を狙いし紅の剣製 FINAL
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までしなくてもいいんじゃないかな。私もショウももう大人だし、お互い仕事があるわけで。た、確かに昔みたいにみんなと遊んだりできる時間ってないから……そういうことが出来たら嬉しくはあるけど」
「だそうだが?」
だそうだが? じゃねぇよ。
何で今日のお前はちょくちょく余計なことを挟んでくるんだ。いや別に言うのは良い。今回の事件で最も迷惑を掛けることになった相手はフェイトだ。裁判やら事後処理をやってもらうわけだから。それに対するお礼はするべきだろう。
だがしかし、そんな茶目っ気が見える顔で言われるとさすがに腹が立つ。お前……年々主に毒されてきてるんじゃないか。これ以上あいつに似てきたら俺のお前への対応は冷たくなるぞ。ほぼ間違いなく。
「まあ……今回の事で礼はするべきだろうし、俺としては構わない」
「ほほほ本当に!?」
「あ、あぁ……フェイトにはこれからもしばらく面倒掛けるわけだし」
というか、少し離れてくれませんかね。
さすがに目の前にフェイトの綺麗な顔があるのは困る。子供の頃ならまだ今ほどの感情は湧いてこなかったわけだが、今はすでに大人。異性として見てる相手の顔が至近距離にあるのは精神的によろしくはない。
「というか……フェイト、時間は大丈夫なのか?」
「え……あぁうん、そろそろ戻らないといけないかな。えっと……また来るから。色々と報告や相談もしたいし。その……今の話の続きもしたいから」
「ああ。当分は暇だし、そっちの都合の良い時に来てくれ」
「うん。じゃあまたね」
笑顔で俺に手を振るとフェイトは足早に部屋から出て行った。俺が思っている以上にここに来るために時間を作ってくれているのかもしれない。
そう考えると無視してまで来ないでいいと言いたくもなるが、フェイトの性格的に迷惑なことをしていたと考えそうなだけに躊躇われる。
「行ってしまったな」
「仕事なんだから仕方ないだろ。……それはお前はいつまで居るつもりなんだ?」
「帰れというならすぐにでも帰るが?」
「別にそんなことを言うつもりはない。やることがなくて暇だからな」
はやてやシュテルみたいに頻繁にからかってくる相手だと、さっさと帰れと言いたくもなるが。シグナム程度の頻度であるならまあ許容範囲内だ。
「そうか……では私が帰った後のためにお前にこれを渡しておこう」
シグナムが取り出したのは数冊の本だ。表紙を見た限りこっちの本もあるが、地球の本もいくつかある。
「……いつからお前は読書家になったんだ?」
「分かってて惚けるのはやめろ。それは主はやてからだ。私はお前が暇だろうから持って行ってほしいと頼まれただけだ。感謝するなら主はやてにしろ」
確かに正論ではあるが……素直に言いたくない気持ちも芽生えてしまって
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