黒衣を狙いし紅の剣製 FINAL
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るという可能性もあるのだろうが、はやての説教や小言の中に似たような話題があった。
それに見舞いに来てくれたヴィータはグリードに対してかなり苛立ちを覚えていた。それだけにシグナムが言っていることが出まかせである可能性の方が低いように思える。
「…………」
「……ふ、冗談だ。テスタロッサ、そんな羨ましそうな顔をするな」
「べべ別にそんな顔してないから!」
「そうか? 私にはお前があれこれ考えて顔が赤くなっているように見えるのだが」
「シグナムがからかうから怒ってるの! もう……何でシグナムは私の事すぐにからかうかな」
それは間違いなくフェイトがからかいやすく反応が素直な人間だからだろう。
俺のような人間は大抵のことはスルーするか反応が薄いし、はやてのようなタイプはからかわれるとむしろ乗ってオーバーな反応をする。そういう人間より慌てたり、顔に出てしまうタイプの方がからかう側は面白いに違いない。
まあ……シグナムはいつも凛としているからか、悪い人間とは思われないだろうが他の騎士達より取っつきにくいとは思われているだろう。本人も必要がなければそこまで自分が話しかける方ではないし、シャマルやヴィータよりも口数は少ない。
からかってくる主な相手が俺やフェイトあたりなことを考えると、親しく気軽に話せる相手を中心にからかっているのだろう。
「そうだぞシグナム、そのへんにしてやれ。お前は好きな子にちょっかいを出す子供か」
「失礼だな。確かにテスタロッサは私にとっても親しい相手だが、そのような感覚でやっているつもりはない。それにお前は本当にテスタロッサには甘いな。その甘さをなのはや主はやてにも分けてやったらどうだ?」
「なのははともかく、お前の主は甘くしたら調子に乗るだろ」
この前だって休憩中に呼び出されてあれこれ買ってと言われたのだから。まあ本気で言っていたわけではないが……。
「主はやてなりにお前に甘えているんだ。お前くらいにしか甘えないのだから甘えさせてやれ」
「だったらその甘え方を年相応に変えさせろ」
心も身体ももう大人なんだから学生の時のノリでこられると俺も困るんだよ。あいつとは中学の時に色々あったし。
平行線なだけに話が長引くと思ったのか、シグナムは立ち上がると窓際に移った。どうやらフェイトに会話の主導権を譲るようだ。仕事の合間に来てくれているだけに妥当な判断だろう。あとで主への対応について話すかと思うと億劫な気持ちにもなってくるが。
「昔からだけどふたりは仲良いよね」
「まあ……ある意味家族ぐるみ付き合いだからな」
義母さんとシグナムとの間は最初こそ平手打ちなんかあったけど、そのあとは普通に和解して交流があったし。最も義母さんと話が弾んでいたのはシャマルだけど。俺とはやての関
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ