黒衣を狙いし紅の剣製 FINAL
[5/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だな」
「もうシグナム、心配するのは身体の方だよ。かなりの重傷だったんだから」
確かにフェイトの言っていることは正しいのだろうが、今の状態からすると精神的な心配をしてくれる方が嬉しかったりする。日に日に小言や説教はなくなっているとはいえ、毎日のように聞いているとさすがに参ってくるのだから。
「そういうお前は心配のし過ぎだ。こいつはここを抜け出してまで任務に出ようとするバカなのか?」
「そ、それは……しないとは思うけど、何かあれば無理も無茶もする性格だし」
「そうそうその何かが起こるとは思えんがな」
シグナム、お前がフェイトのことを好きなのは分かるがそういじめるようにからかってやるなよ。そんな性格だからヴィータと折り合いが付かない時があるんだぞ。今はヴィータも大分大人になったから滅多にないだろうけど。
「む……さっきまで誰か来ていたのか?」
「ん? ああ、なのはとヴィヴィオがな。よく分かったな?」
「その食べかけのリンゴを見れば分かる。お前ならそのまま食べてもおかしくないし、皮を剥くにしてももっと綺麗だろうからな。あのなのはにしては成長していると言うべきだろうが」
そう思うなら口にするなよ。あいつはあいつなりに頑張ってるんだから。
それに……お前のとこの少しドジな医者と比べたら遥かにマシというか、比べられないくらい上手いからな。一緒に作ればまともなものが出来るだろうけど、ひとりで作らせると栄養満点だけどそれ故に味が凄まじいものを作ってしまうし。
「……ところでシグナム」
「何だ?」
俺が言いたいことが分かっていそうなのに平然と聞き返すな。お前は本当に親しい間柄の奴にはちょっかいを出したい奴だな。
「言わなくても分かってるだろうが……何でそんなに近くに座る?」
「愚問だな。自分で食べるのがきつそうだから食べさせてやろうと考えているだけだ」
その流れはさっきやった。
何より何でお前から食べさせてもらわないといけない。ヴィヴィオはまだ可愛げがあるし、恥ずかしさを我慢できるがお前からされるのは普通にご免だぞ。腕が動かないわけでもないし。
「結構だ。普通に自分で食べられる。大体フェイトも居るんだぞ。そんな状況でこんなことして楽しいのかお前は」
「テスタロッサがいなければ良いのか?」
「そういう意味で言ってない」
そもそも、笑ってるってことはお前理解してやってるだろ。説教や小言を言わないと思ったらお前はこっちで俺に抗議してくるのか。正直に言って、普通に説教やらされたほうがマシだぞ。
「グリードなんてクソ野郎、あたしがぶっ飛ばしてやる! と怒り狂っていたヴィータを止めたのは誰だと思ってる?」
ここでそんな切り札を切るんじゃない。
口から出まかせを言ってい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ