黒衣を狙いし紅の剣製 FINAL
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年齢の割に子供っぽい……うっかり口から漏れたら睨まれそうだし考えるのはやめておこう。
「ショウくんまたね。時間がある時は顔出すから」
「パパ、バイバイ。明日も来れたら来るから」
「はいはい、またな。ただ無理してまで来なくていいから。それとパパじゃない」
「「もう、何で最後に意地悪するかな!」」
親子だけ合って感性から怒った顔まで同じだ。まあハモったのがツボに入ったのか、最後にはふたりは笑いながら去って行ったのだが。
ふぅ……とりあえずこれで一段落か。毎日誰かしら見舞いに来てくれるのはありがたいが、申し訳なさやらで精神的に来るところもあるんだよな。
とはいえ、何もすることがないので時間を潰すという意味では困る。
今寝てしまうと夜に眠れなくなってしまうだろうし、パソコンといった機材は仕事しそうだからということで頼んでも却下されてしまった。それどころか俺の仕事は相棒達が責任を持ってやるとのこと。優秀な相棒達を持ったのは良いことなのだが……本当に暇だ。
毎日休まず仕事がしたいと思うほどワーカホリックというか、仕事が恋人と思うほど仕事をしたいわけではない。ただ数日何もせずに過ごすというのは退屈だ。俺のような人間は多少なりともストレスのある時間とのんびりと過ごす時間が両立しておいた方が良いのだろう。
まあ……単純に普段仕事してるから生活リズムが変わって違和感があるだけかもしれないが。
「どうするかな……」
はやてあたりに連絡して何かしら本でも持ってきてもらえば暇も潰せる。
だが……散々小言を言われてしまっただけに私をパシリにするとはええ御身分やな! なんて態度で来る可能性も十分にある。年々あいつの性格が可愛くない方へ進んでいると思うのは俺だけだろうか? でもあいつの師匠も師匠だからな。今はその人以上に腹芸が得意かもしれんが。
そんなことを考えていると、病室の扉がノックされる。ここに来るのは知り合いくらいだ。また誰かが見舞いに来てくれたのだろう。もしかするとなのは達が忘れ物でもして戻ってきたのかもしれない。まあ何にせよ、入れることに問題はないだろう。
俺は入室許可の返事をすると、ゆっくりと扉が開く。
「失礼する」
「お邪魔します」
病室に入ってきたのは、私服姿のシグナムと制服姿のフェイト。
昔からふたりはライバルのような関係なので組み合わせとしては珍しくはない。まあ昔と違って今は別々の仕事をすることも多いので、そういう意味では珍しいと言えるのかもしれないが。
ふたりの服装が違うということは、模擬戦をしていたというわけでもあるまい。普通に考えればシグナムは休日で、フェイトは仕事の合間に来てくれたのだろう。
「主はやて達に散々説教されて落ち込んでいると思ったが、思ったよりも元気そう
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