暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の軌跡〜
第22話
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「ミリアムちゃん!殿下に対して不敬ですよ!?」

ミリアムは意味ありげな笑みを浮かべてオリヴァルト皇子を見つめ、ミリアムの言葉を聞いたクレア大尉は声を上げてミリアムを注意した。

「……殿下、今の話は本当なのですか?」

「……ああ。”影の国”事件が解決し、それぞれが帰還する前に”空の女神”の両親達が自分達の時代に戻り、その後に判明したんだ。―――レン君、何故”空の女神”は”ハーメルの惨劇”を世界中に公表する事を望み、そして今回の両帝国の戦争の和解条約に組み込んだんだい?」

アルゼイド子爵の確認の言葉に頷いたオリヴァルト皇子は真剣な表情になってレンに訊ねた。



「クスクス、”空の女神”が”ハーメルの惨劇”を公表する事を決めた理由はある意味当然と言えば当然の理由よ。その理由は…………――――”ハーメルの惨劇”が”空の女神”としても許し難き所業で、しかもその”大罪”を犯した事を償う所か後悔すらもせずに12年も隠蔽し続けてきた事が絶対に許せなかったそうよ?」

「それは………………」

小悪魔な笑みを浮かべたレンの説明を聞いたオリヴァルト皇子は複雑そうな表情をし

「うふふ、アルフィン皇女やダヴィル大使もさぞ顔色を真っ青にしたでしょうね?―――何せ”空の女神”自身の口から”ハーメル”の件を”空の女神”は絶対に許せないって言葉を聞いたのだから。」

「何ですって!?という事は皇女殿下達も”空の女神”と邂逅したっていうの!?」

説明を聞いてある事に気づいたサラ教官は血相を変えてレンに訊ねた。

「ええ。実はアリシア女王から第六条の件をリベールに詳細な説明をして欲しいって要請された時に、シルヴァンお兄様が予め渡していた通信機で連絡して、”空の女神”をグランセル城に呼び寄せたのよ。」

「なっ!?そ、”空の女神”がグランセル城に!?」

「………まさかアルフィン達が”空の女神”と会っていたとはね。常識で考えれば貴重な体験だろうけど、”空の女神”はハーメルの件でエレボニアに怒りを抱いていたのだから二人にとっては生きた心地はしなかっただろうね………」

レンの答えを聞いたマキアスは驚き、オリヴァルト皇子は疲れた表情で呟いた。

「”空の女神”に通信機を予め渡していたって事はメンフィル帝国は最初から、第六条の件については”空の女神”に説明させるつもりだったのですか?」

「当たり前よ。元々和解条約は第五条までで、第六条は”空の女神”の要請によって追加された条約なのだから、条約を追加した本人に説明してもらうのが”筋”でしょう?で、話を続けるけど”空の女神”が今回の両帝国の戦争の和解条約に”ハーメルの惨劇”を公表する事を組み込んだ理由は今回の戦争の和解調印式がちょうど良い機会だからだったそうよ。」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ