350部分:第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその一
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第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその一
第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのこと
貂蝉と卑弥呼はだ。今度は上半身裸で刀を持っている男に会っていた。下は袴で見れば上着は脱いでいる。長い髪を髷にして険しい顔をしている。
「牙神幻十郎さんね」
「何故俺の名前を知っている」
その男幻十郎は鋭い目で貂蝉の言葉に返した。
「それを聞こう」
「だって私達そっちの世界に行ったことあるから」
「知らなかったの?」
卑弥呼も言ってきた。刀馬と命も一緒だ。当然華陀もだ。
「それでなのよ」
「皆知ってるわよ」
「貴様等どうやら」
幻十郎はこの左手に持つ刀を構えた。
「人間ではないな」
「確かに怪しいがな」
刀馬もそれは否定しない。
「この容姿といいな」
「妖気を感じる」
幻十郎もそれは感じ取っていた。
「アンブロジアか、それとも壊帝の手の者か」
「だからどちらでもないわよ」
「れっきとした人間なのよ」
「嘘をつけ」
あくまで信用しようとしない幻十郎だった。
「そんな姿の人間がいつものか」
「失礼ねえ」
「こんな美しい乙女を捕まえて」
「少なくとも貴様等は乙女ではない」
全力で否定する幻十郎だった。
「俺は男でも構わぬが貴様等は許さん」
「そういえばこの人千人斬りだったわよね」
「男女問わずだったわね」
幻十郎のことはよく知っているらしい。
「危険な香のするいいおのこだけれど」
「今回はダーリンにはできないの。御免ね」
「生憎だがこちらから断る」
二人にはあくまで厳しい幻十郎である。
「そもそも何故俺の前に出て来た」
「斬りたい彼に合わせてあげるわよ」
「それで来たのよ」
二人はこう幻十郎に話すのだった。
「それでなのよ」
「どうかしら」
「斬りたい奴か」
「いるでしょ、ずっとそう思ってる相手が」
「こっちの世界にも来ているわよ」
「そうか」
その言葉を聞いてだ。幻十郎はその目を光らせた。
「そう言うのか」
「どうかしら、一緒に来る?」
「歓迎するわよ」
「いいだろう」
幻十郎は刀牙より素直だった。
「それではだ。共に行くとしよう」
「わかってくれて何よりだわ」
「私も声をかけたかいがあったわ」
二人は幻十郎が誘いを受けてくれたので自分達ではセクシーに笑ってみせた。
「本当にね」
「感謝しているわよ」
「しかし言っておく」
幻十郎は何とか気を保ちながらその二人に返した。
「俺の前にそうした仕草を見せるな」
「あら、何故?」
「どうしてなの?」
「斬らずにはいられぬ」
だからだというのである。
「あまりものおぞましさにだ」
「だからそれは失礼じゃないかしら」
「そうよ」
まだこう言う
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