0072話『工廠での一騒ぎ』
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で花火の製造を行っていたんです」
「は、花火!? またなんで…」
「はい。来月から色々と催しが増えるじゃないですか。瑞雲浴衣祭りとか…七夕とか…夏本番とか…」
「それで明石さんと夏に向けて色々な花火の準備をしていたんですけどちょっと手違いが発生して一つの火薬に引火してしまったんですよ」
その夕張の発言にゾッとする。
下手したら工廠が使い物にならなくなるかもしれない事態だったわけだ。
それはもう不安になる事だろう。
だけど明石は私の表情を察したのか、
「あ、安心してください。引火したのは小規模の一つの火薬玉だけです。
ですので連動して他のものに爆発が起こっているわけではありません」
「それなら大丈夫…なのか? 私ははたして二人を怒るべきなのか?」
そこに状況を見守っていた最上が口を出してきた。
「とりあえず提督。みんなには大丈夫だと言っておいた方がいいと思うんだ。
そろそろ長門さんとかが消防器具とかを持って工廠へとやってきちゃうかもしれないから…」
それを聞いて明石と夕張は焦りの表情を浮かべて、
「まずい! 今工廠に水をかけたら用意していた花火一式がダメになってしまいます!」
「早くこの騒動を収めないと…!」
それで二人は機敏に行動を開始して片づけを始めだす。
それを私は一応手伝いながらも反省文を二人に書かせることを頭に入れておいた。
「明石ー! 大丈夫か!? この長門が来た以上すぐに鎮火してやるぞ!」
最上の言ったとおりに長門が消防のホースを持ってやってきた。
それで仕方がないので私が長門の対応に当たる事にした。
「すまない長門。消防ホースまで準備してもらって悪いと思っているがもう火は消えているんだ」
「なに…? そうなのか提督?」
「ああ。今は全員で工廠の中を清掃中だ。長門もよかったら手伝ってくれ」
「わかった。この長門に任せてくれ」
それでズンズンと長門は中に入っていく。
そこに明石の声が響いてきて、
『長門さーん! 今は危険物が並べられていますから注意してくださいね!?』
『危険物とは何だ!? お前たちは一体なにを作っていたんだ!?』
『えっと、その…花火を…』
『花火だと!?』
という長門達のやり取りが工廠の中から聞こえてくる。
それで案の定というか長門の怒声が響き渡ってきたのは言うまでもないことだろう。
それからしばらく工廠内の片づけをしていって、
「…しかし、どうしていきなり花火なんて作ろうと思ったんだ…?」
私は一応理由は聞いたけどその動機が分からなかったので二人に聞いてみた。
すると二人は少し恥ずかしそうにしながらも、
「そのですね。提督を喜ばそうと思いまして…」
「私を…?」
「はい。最近提督は精力
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