第59話『第二のテスト』
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っ!?」」ズザザ
晴登が腕を振るうと、まさに人を飛ばせる勢いで強風が吹く。さすがにその対策はされていないのか、2年生らは後退を余儀なくされた。
「少し距離を取った方が良い。近づかれたら危険だ」
「他に作戦は?」
「俺の炎は危ないし、お前ら2人に懸かりそうだな」
伸太郎は残念そうに言う。
彼もまた、晴登と同様に魔術バトルを期待していたはずだ。役に立たないのは、辛いものがあるだろう。
「じゃ、暁君の分まで頑張るぞ、結月!」
「うん!」
相手を見据え、2人は一気に魔力を高めた。
このあと3年生とも戦うのであれば、なるべく力は残しておきたい。だから、長期戦は避けなければならないのだ。この一発で、決める!
「吹き荒れろっ!」ビュオォォ
「凍てつけっ!」ビキビキ
「これは…!?」
晴登の放った風が、結月の放った冷気を纏う。その風に触れた草や地面は凍てついて──というか、風自体が凍っていった。
・・・いわゆる、合体魔術。
合体魔術というのは、互いにチームワークの取れる関係でなければできない、高難度の魔術だ。威力は難度相応に高い。
だから成功としか言えないその様子には、終夜も唖然としていた。
そしてもちろん、その風が向かう先は2年生。
「あれ、これヤバくねぇか!?」
「ガードだガード!」
「鉄パイプに無茶言うな!」
「つか、避けろよ!……って!?」ガチィン
ついに氷の風が2年生を捉えた。全身を凍らせてしまうのはさすがに危険だから、首より上は空気に触れるように仕組んで凍らせる。
つまりは四肢を塞いでいるため、身動きが取れないはずだ。
「そ、そこまでだ! 勝者、1年グループ!」
「よっし!」グッ
「お疲れ、ハルト!」
「いや、結月もありがとう」
2年生方が戦闘不能になったので、1年生の勝利が決まった。まずは第一関門突破という所だろう。
問題は・・・
「次は3年生か……」
伸太郎の発言に頷きながら納得。
2年生方は魔術を使えなかったから幾分楽だったが、3年生は魔術部部長と副部長というコンビ。簡単には勝たせてくれないだろう。
「面白くなってきたぜ」
晴登は似合わない笑みを浮かべた。今はもう、心から楽しんでいるのがわかる。結月に変な目で見られている気がするが気にしない。
「やっぱ2年生じゃ相手にならないみたいだな。それじゃ、お待ちかねの真打登場だ」ニッ
「…そんなカッコつけて、負けた時の言い訳どうすんのよ?」
「いい所なんだから水差すなよ」
相変わらずの様子で、3年生の2人が登場した。連
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