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やはり俺がネイバーと戦うのは間違っているのだろうか
4.沖田総司は努力を惜しまない
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言ってんの?思わず三人で顔を見合わす。
(どうしましょう!?どうやら、あまりに睨みが効いたもんで頭がどうかしちゃったみたいです!)
 いや、そういうことじゃないと思うぞ。多分。
「建前とか全然言わないんだ………。なんていうか、そういうのかっこいい………」
 由比ヶ浜が熱っぽい表情で総司と雪ノ下を見つめる。総司はヒッ!と小さい悲鳴を上げて俺の後ろに隠れて、雪ノ下も気圧されたのか一、二歩後ろに下がっていた。
「な、何を言っているのかしらこの子………。これでも結構きついことを言ったつもりだったのだけれど」
「ううん!そんなことない!あ、いや確かに言葉はひどかったし、ぶっちゃけ泣きかけたけど……」
 だろうな。この二人にあれだけ言われたら俺だって泣くわ。
「でも、本音って感じがするの。ヒッキーとはなしてるときも、ひどいことばっかり言い合ってるけど、ちゃんと話してる。あたし人に合わせてばっかだったからこういうの初めてで……」
 そう、由比ヶ浜は頭がどうかしたわけではない。それは羨望だったのだ。俺たちのチームはチームプレイもするが基本スタンドプレイなのだ。良くも悪くも個人主張の強いチームで、本音を言い合っている俺らからしたら簡単なことでも由比ヶ浜は環境がそれを許さなかった。だから、憧れ、焦がれたのだ。
 それゆえに、由比ヶ浜は逃げなかった。
「ごめん。次はちゃんとやる」
 その視線はさっきの逃げていた目ではなく、逃げないと目を背けないと決意をしたやつの目だった。
 そんな目を見て、総司は口元を緩めた。
「わっかりました!そういうことならば、この最強無敵の沖田さんが教えて差し上げましょう!」
「うん!」
 どうやら向こうはまとまったらしいが、雪ノ下はまだ呆気にとられたまんまらしい。 
「雪乃」
「ひゃっ!ひ、比企谷君!?」
 まだヒステリアモード続いてたのか。
「君も手伝ってあげてくれ。恐らく総司もクッキー初めてだろうからね」
「そ、そうね。二人とも私も手伝うわ」






 そして、時間は進み。俺のヒステリアモードもやっと切れて、由比ヶ浜の料理教室も佳境を迎えていた。
「なんでー。何で雪ノ下さんみたいにいかないの?」
「何が悪いのかしら?」
 そこに出来ていたクッキーは最初の木炭よりも遙かにましなものがあった。クッキーと呼んでもよいほどのものが。よくぞ、この短時間でここまでにさせたものだ。これは偏に雪ノ下と総司の教鞭によるものだろう。
 雪ノ下と由比ヶ浜はまだ上を求めているみたいだが、
「別にこれでも良くないか?味も食えないほどのものではないし、それに男に渡すならこれくらいの方が男心はくすぐられるぞ」
 え?という風に三人とも俺の方を向いた。おまえもかよ総司。
「そうなん?」
「ああ。ようは誠意が
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