345部分:第二十八話 ミナ、一行に加わるのことその十
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第二十八話 ミナ、一行に加わるのことその十
「次がありましてよ」
「次ですか」
「では次は」
「あの娘に勝ちなさい、いいですわね」
こう言うだけであった。
「さて、それにしても」
「そうですね」
「引き分けですけれど」
田豊と沮授はあらためて主に告げた。
「どうすればいいでしょうか」
「残る剣は」
「仕方ありませんわね」
袁紹はここでまた溜息をついて言うのであった。
「ありのままを言うしかありませんわ」
「ありのまま?」
「ありのままって?」
劉備側はそれを聞いてまずは目をしばたかせた。
「一体何が?」
「何かあるんですか?」
「お話しますわ。実はですね」
まずは着替えてそのうえで謁見の間に入ってだ。袁紹は劉備達に詳しいことを話すのだった。それは劉備達にとっては驚くべきことだった。
「えっ、袁術殿のところに?」
「あの剣がある?」
「そんな事情で?」
「はい、そうなんです」
「それでなんだよ」
顔良と文醜が申し訳なさそうに劉備一行に話す。
「張勲さんの目に見えない服と交換で」
「それでだったんだよ」
「それ、絶対に詐欺だよね」
「間違いありませんね」
孔明は馬岱の言葉に頷いた。
「その服ありませんよ」
「裸の何とかみたいだよね」
「それでその服はどうなったのだ?」
関羽は呆れながら袁紹に問うた。
「今は一体」
「今こうして着ていましてよ」
袁紹はいつもの服で関羽に応える。
「こうして」
「・・・・・・そうか」
それを聞いてもう突っ込むのを止めた関羽だった。袁紹という人物がさらにわかったのである。やはり何処かが妙な人物である。
そしてだ。袁紹は今度は申し訳ない顔で劉備に話した。
「劉備さんには悪いことをしましたけれど」
「私にですか?」
「最初から言うべきでしたけれど」
それはわかっている袁紹なのだった。
「ついつい。楽しみを優先させて」
「麗羽様はああした大会が好きなので」
「気にしないでやってくれないかな」
顔良と文醜がすぐにフォローを入れる。
「また宴を用意してますし」
「美味いものを腹一杯食って機嫌をなおしてくれよ」
「いや、別に」
「そう言われても」
「別に気分は悪くしていないし」
「そうなのだ」
劉備達はこう袁紹達に返す。特に機嫌を悪くはしていない。
そしてである。また劉備が話してきた。
「袁紹さん最初から幽州にお米や麦を送るつもりだったのですよね」
「えっ?」
「そうですよね」
にこりと笑って彼女に問うのであった。
「それならです」
「いいといいますの?」
「はい、私達も楽しませてもらいましたし」
だからいいというのである。
「ですから」
「そうですの」
「はい、剣は
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