朝の一時
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物とスクランブルエッグに添えられて、各々4枚の皿の上に盛られていた。
ボウルも同じく4つ、何やらワインを薄めたような物が、入っている。
「ソフィア、ルゥ、二人とも起きたのね、ちょうど今、これから起こしに行こうかと思ってたところだったのよ。じゃあ、座りましょ♪」
背後からべティの声が聞こえて、振り向くと、料理を運んできたトレイを、壁際に立て掛けた直後だったらしい。
神父を窓側に、残りを3人で囲む。
「じゃあ神父様、お祈りをお願いします」
「どう?これはじゃがいもで作ったスコーン。こっちのは『ザワークラウト』。どっちもにピッタリなメニューでしょ♪
なんでも、『ザクセン』だとかいう北の方の国の料理と、海の向こうのスコットランドの料理なんだって…。パンが無くても食べられるように、じゃがいも料理を教えてもらっておいたのが、役に立って良かったわぁ〜。
こっちの飲み物は何て言ったかなぁ…。ワインて貴族の飲み物でしょ?庶民は搾りカスを溶かして飲むしかないけど、無駄には出来ないからね、スープにしちゃった♪」
べティ渾身の料理の、一通りの説明が終わる。
どうやら異国の料理を作って自慢したかったらしい。
イエス・キリストは、最後の晩餐において、パンを自分の肉、ワインを自分の血と見なして食べるように言ったのだと云うらしい。
そのせいかどうか、教会では、浄めた水を『聖水』と呼び、洗礼等のミサなどで大量に用いるが、教皇が自ら浄め『聖別』されたワインを指して『聖なる血』として、大切に扱われている。
この時代、水は不浄な物とされ、余程の農村部にでもいかない限り、飲み水にするには一度煮沸するか雨水を溜めて使うしかなく、ワイン醸造が盛んな地域ではワインが、ビール醸造が盛んな地域ではビールが、飲料水がわりに飲まれていたが、あくまで貴族の場合だった。
慎ましやかな朝の食事が終わる。
「神父様、貴族の別荘が近くにあるっていうのは、本当なんでしょうか………?」
「なんだい?ソフィアが行ってくれるのかい?」
ソフィアはコクリと頷いた。
「そうかいそうかい。ソフィア君が行ってくれるのか〜。でも大丈夫かい?私が歩いて半日近く掛かってしまう距離だから、君だと小休止の時間まで掛かりそうな気がしてならないよ…。そうでなくても今日は朝から曇り空だからねぇ…」
神父には、ソフィアには別の目的があることは話していない。
「あの…、私達、これでも一応エクソシストなんです。少しくらい暗くなったって平気ですから行かせてください」
ソフィアのサファイアの瞳が、食い入るように神父を見つめていた。
「仕方ないですね。では、貴族の方はソフィアさんに任せましょう。マントをお貸ししましょう。この分だとたまいつ降りだしてもおかし
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