黒衣を狙いし紅の剣製 08
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ために魔導師を補助として使う。魔法を行使するための動力源として使うような仕様になっている。
つまりクロは、今グリードのデバイスに侵食されているということだ。
「グリード……こんなことが許されていいと思っているのか!」
『黙れ! 魔法はクリーンな力ではなく人を痛めつけるための力だ。デバイスとは本来それを強めるためのもの。戦うための力なのだよ! それに人間性? ふざけるな! そんなものがあって何になる? その人間性が災いして敵を見逃すなんてことが起こってもおかしくないだろうに!』
「だからといって人間性がなければ、そこに歯止めを掛ける意思がなければ争いが増えるだけだろう! それに人間性は必要ないと言ったな? 今の俺を見てもそれが言えるのか!」
もしもファラに人間性がなかったのならば、マスターの指示がなければ行動できないデバイスであったのなら俺はすでに出血多量で命を落としているだろう。
「確かにお前が言うこともデバイスの本質だ。だが、いつまでも戦うためだけの力を追及して何になる。争いの火種になって平和から遠のくだけだ」
『平和なんてものが訪れるわけがあるまい! 人が人である限り、人は争い続けるのだよ。己と他者を比較し、その者よりも上でありたいと望む。その傲慢かつ醜い感情がある限り、人は争い続け、そして文化は発展していくのだ!』
「その先には破滅だけだ。そういう歴史を辿った世界がこれまでに何個滅んだと思っている。何個のロストロギアが生まれたと思ってるんだ」
『そんなこと知ったことか! 自分が死んでしまった後のことなど興味もない。私は……私が生きている間にこの時代に生きていたのだと名を残したいのだ。結果を残したいのだ! たとえそれがロストロギアと称されるものだとしてもな!』
それが技術者としての本懐だろう!
そう言いたげなグリードは……ある意味技術者の鏡なのかもしれない。だが俺はこの男と相容れることはない。そう思えた。
『行けデスペラート! その小僧を根絶しろ!』
グリードの言葉に従うように、苦しんでいたクロがゆっくりと起き上がる。
今のクロの目は虚ろで、彼女の意志があるようには思えない。その代わり……血のような色のデバイスのコアが俺の息の根を止めると言わんばかりに何度か瞬く。
クロ……いやデスペラートは、クロの身体を操って白と黒の夫婦剣を生成。それを手にした瞬間、その場から姿を消した。
〔マスター、上!〕
「っ――くっ……!」
ファラのおかげでどうにか上段からの二刀を防ぐことが出来た。
今ので確信した。クロは……武器を作り出す以外に転移系の能力も持っている。魔法なのかレアスキルなのかは分からないが。
クロが連発していなかったことを考えると、転移は回数制限があるのか、魔力消
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