【RB1】
【RB第十話】
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しとけよ馬鹿が」
勿論誰もいないクルスの独り言、埃を払い落としたクルスだったが屑鉄の山が崩れ落ちて現れたのは所々に錆が見え隠れするボディモジュールだった。
単眼式やバイザー型、複眼型とは違う【デュアルアイタイプ】のボディモジュール――デュアルアイのカメラガラスは割れ、中からアイカメラが露出していた。
「…………」
崩れたモジュールの上を歩き、ボディモジュールに近付く――無機質な灰色に所々赤錆が目立ち、デュアルアイから滴り落ちる雫はまるで涙を流している様だった。
「……こいつを修理すりゃ、良さそうだな」
唇の端を吊り上げるクルス――昼休み終了のサイレンが鳴り響き、クルスは目星を着けたそのボディモジュールをその場に残し、午後の作業へと戻っていった。
作業も終わり、コンテナ地獄から解放された一同。
端末機にクレジットを入金させ、学生寮に戻る生徒を他所にクルスはさっきのボディモジュールの回収に走る。
ガレージに搬入されたデュアルアイタイプのボディモジュール、申し訳程度に外装のないレッグモジュールが付いたその機体を見たクルス。
「……これはメンテナーズの力借りなきゃ無理そうだな。 アームモジュールは払い下げ品か何かで装着すればいいが……システム周りやOSは俺だけじゃ流石に……」
かといってメンテナーズの知り合いがいる訳じゃなかった。
クルスは整った顔立ちはしているがその目付きの鋭さ、醸し出す雰囲気からデザイナーズやメンテナーズの生徒から少し怖がられている。
だが義妹の由加にとっては義兄に余計な虫がくっつかない事に安心しているが――。
「チッ……面倒だが、誰かに助力求めるしかねぇな」
一人ごちるクルス――赤錆のついたデュアルアイからはもう涙は流れていなかった、新たな主が見つかったのだから――。
これがクルスと長い付き合いになるRB【煉獄】との出逢いだった。
クルスがコンテナ運びをしている時間まで戻る。
加川有栖は初の休日にクルスをデートに誘おうとしたのだが、肝心のクルスがまさかコンテナ運びのバイトをしているとは思わなかった。
久々に再開した幼なじみで初恋のクルス――背は高くなり、目付きの悪さは相変わらずだったがそれでも想ってきた想いは変わらなかった。
唯一……義妹出来てたことが誤算だった。
明らかに敵がい心のある有川由加、義妹という事もあり確実に恋のライバルになり得る存在だった。
「……今はクルスに会えた事だけでも感謝しないと、だね」
ウンウンと頷くアリスは、気を取り直して街に繰り出して気分転換しようと出かけるのだが――ちょうど寮を出た所で声を掛けられた。
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