343部分:第二十八話 ミナ、一行に加わるのことその八
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第二十八話 ミナ、一行に加わるのことその八
「いいんでしょうか。あそこまでして」
「ううん、かなりまずいと思うわ」
黄忠も難しい顔で孔明に対して述べた。
「これはね」
「そうですよね。見ているこっちが」
孔明も顔を真っ赤にさせている。
「恥ずかしくなります」
「本当にね」
「これでいいのかしら」
また言う黄忠だった。
「公孫賛さんも」
「止めた方がいいだろ」
馬超も言う。
「この状況はよ」
「そうだよね。これ夢に出るよ」
馬岱はこう言った。
「いやらしい意味でね」
「そう思うのだ。これは出るのだ」
張飛も顔を赤くさせている。
「同じ女でもそう思うのだ」
「まあそれもいいとは思うが」
趙雲は僅かだがこの状況でも余裕があった。
「それでも。これはな」
「劉備殿、これは」
関羽は見かねて劉備に言った。
「止めた方がいいのでは」
「そうよね。二人共これは」
ほぼ裸で鰻や蛸や烏賊に絡められている。その中でのたうっているのだ。胸や腰だけでなく腕や脚にも絡み付いている。
「こ、こら口に入るな!」
「きゅ、吸盤が!」
「だからいやらしいにも程があるだろ」
「何かもう見ているとな」
「我慢できないっていうかな」
「洒落にならないぜ」
だが二人は真剣だった。そしてだ。
公孫賛は目を光らせた。そうしてだった。
「くっ、ここで負けては」
「袁家の意地にかけてここは負けませんわよ」
袁紹がその彼女に意地を見せてきた。その豊かな胸で鰻をまた一匹捕まえていた。そのうえで己の水槽の中に放り込むのだった。
「何かあろうとも!」
「私はこれまで」
公孫賛の中でこれまでの人生がフラッシュバックする。
「何処にいても忘れられ両親に置いてけぼりにされることも常だった」
とにかく昔から目立たないのである。
「このまま終わるのか」
「わたくしは負けませんわよ!」
また言う袁紹だった。
「決して!」
「いや!」
公孫賛はここで声をあげた。
「私はまだだ!」
「!?」
「何だ!?」
「やらせはしない!やらせはしないぞ!」
こう叫んでだった。己のそこそこの胸を使ってだ。凄まじい勢いで鰻を掴み取りはじめたのである。
「白々ちゃん!?」
この場面でも真名を間違える劉備だった。
「底力?これって」
「うむ、そうだな」
関羽は劉備のその言葉に頷いた。
「これこそが公孫賛殿の」
「それじゃあここは」
「勝てる」
関羽は断言した。
「これはだ。公孫賛殿の勝利だ」
「そう、いけるの」
「まさかこれ程の底力があるとはな」
関羽も驚くものだった。
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