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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第597話】
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エネルギー残量が一五〇を下回ろうとも、止めなかった。

 もう一夏にはそれしか手が無いのだ――固定された戦法、誰かに教えを乞う為に頭を下げない無駄な男の意地。

 高過ぎる威力を持つ零落白夜の最大威力ですらもう躊躇わない――最大威力ならシールドバリアーに掠るだけでシールド・エネルギーを確実に四〇〇は持っていけるからだ。

 白亜の光刃が伸びる――最大威力になった光刃の一撃が遂にヒルトのシールドバリアーを掠めた。

 触れた零落白夜の光刃からシールドバリアーは崩壊、再構築――それだけで最大値近くあったシールド・エネルギーが一気に二〇〇を下回る。


「ハッハッハッ! 良いぞ良いぞ! そこだーっ!」


 オーランドは力強く激を飛ばす――だが、流石に他の生徒は気づいてしまった――。


「……気のせいかな、何か今までの試合より盛り上がらなくない?」

「うんうん、てか……有坂くん攻撃したのって僅かだよね?」

「逆に織斑くん、攻撃してるけど……って、あぁ!?」


 一人の女子生徒が指を指す――一夏のシールド・エネルギーが五〇を下回りかけていた。


「逃がさねぇッ!!」

「逃げるつもりなんか――ない!!」


 光刃を纏った雪片を北落師門で受けるヒルト――一夏は口角を吊り上げ、笑った。


「もらったァァァッ!!」


 武装腕の光刃がヒルトの脇腹を狙うように横一文字で振られた――だがヒルトは避けない、否……避ける必要がなかった。

 シールドバリアーに触れるより早く、武装腕から伸びた光刃は空中で四散――その刃を失った武装腕はただの左フックを繰り出しただけの一撃で、シールドバリアーに干渉、二〇〇から一九〇に減らすだけだった。

 雪片に纏われていた光刃も四散――。


「クッ……エネルギーが!?」


 もう何度聞いたかわからない一夏の呪詛の言葉――ディスプレイに表示されてるエネルギーゲージは二〇を下回っていた、雪片の展開装甲は閉じ、物理刀へと戻る。

 距離を離す一夏は、地上へと降りていく――ヒルトも同様に地上へと降下。


「ヒルト……まだ勝負は終わってねぇぜ!」

「…………」


 ヒルトは何も答えない、ただ――右腕部可変展開装甲を組み換え、イザナミを媒体とする大神之神霧露を構えるだけだった。


「ば、バカな……お、落ちこぼれが……落ちこぼれが……!?」


 流石のオーランドも事態に気付く、ほぼ十倍近いエネルギー差をつけられている両者、一夏は諦めていない様だが決着は既に決まったも同然だった。

 ドローンカメラで映し出される映像――構図はまるで刹那の一瞬を見極める為に睨み合う二人の男。

 片方はブリュンヒルデの
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