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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第597話】
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 姉としては頭が痛い――上達した事と言えば十月から男子操縦者の情報が解禁され、サインを求められる事が多くなったと言ってサインを書く技術だけが向上している。

 深い溜め息を吐く千冬――ディスプレイに映し出される映像を見ると、また左手を閉じたり開いたりを繰り返していた。

 その度に、霞衣が形成されて無駄なエネルギーを消耗するだけの一夏を見て更に深い溜め息を吐くのだった。


「……全く成長してないな、あの馬鹿者……」


 空中での戦いは一夏の攻撃だけが苛烈差を極める中、ヒルトは疲労した身体に鞭を打ち、零落白夜の軌跡を読んで避け続けていた。


「ぜああああっ!!」


 逆袈裟払いからの袈裟斬りによる二段返し、それすら疲労したヒルトに当たる事はなかった。

 理由は簡単で一夏の攻撃は大振りが多いのと前以て構えるため、読みやすいのだ。

 かといって篠ノ之流古武術裏奥義『零拍子』なんて使えば簡単にヒルトにカモにされるだろう。

 裏奥義といえど子供が習得出来る程度では古武術としてはたかがしれている。

 達人が使うなら『零拍子』も違うのだろうがその域に到達するには地道な努力が必要だろう。


「ヒルト、もう息が上がってるのか? まだまだ戦いは始まったばっかだぜ!!」


 呼吸の荒いヒルトと消耗していない一夏でははっきり言えば五分の条件ではない。

 とはいえ五分ならとっくに決着は着いているだろう。


『主君! 挙動制御サポートは此方で行う! 主君は反撃を!』

『そうなのですよぉ(`皿´#) サポートしまくるからマスターは反撃優先なのですよぉ!凸(`皿´)』


 袈裟斬りの一撃を避け、ヒルトはワイヤーブレードを射出、一夏の脚部へ絡ませ、回転を加えて地表へと叩き落とす。


「がはっ!?」


 体勢を整えるより早く、電磁投射小銃による掃射が一夏を襲う、抉れる地面、巻き起こる砂塵、装甲に突き刺さるタングステン弾。

 立ち込める砂塵から一夏は飛び抜ける――瞬時加速による肉薄と合わせて荷電粒子砲《月穿》を放つ。

 ヒルトもそれに反応――ほぼ同じタイミングで荷電粒子砲は放たれ、互いに撃った一撃同士がぶつかり、目映い閃光が辺りを包み、熱で大気が焼け、辺り一帯に陽炎が立ち込めた。


「おおおおおっ!!」


 叫びが学園に木霊し、遂に雪片と武装腕二刀流による零落白夜が解禁、瞬時加速と合わせてもりもりとエネルギーが無駄に消耗していく一夏。

 二刀流による連撃――白亜の光刃の一閃が夕焼け空を白く彩る。

 だがその一閃は届かない――どんなに振るおうとも、ヒルトにその一撃が届くことはない。

 だがそれでも一夏は止まらない――シールド・
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