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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第597話】
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神之神霧露の光刃を形成――イザナミを媒体にした大神之神霧露とは違い、紅蓮の粒子刃が姿を現す。


「うぉぉおおおッ!!」


 叫びと共に一夏は瞬時加速で肉薄、袈裟斬りで振るうも白亜の光刃の軌跡はヒルトに見極められていて、カウンターに紅い一閃の一撃が一夏に叩き込まれる。


「ぜぁぁあああッ!!」


 切り返しの一撃――バックステップで避けようとするが疲労感からか僅かに反応が遅れた。

 一撃は避けたものの零落白夜の光刃を受けた神之神霧露の紅い刃は四散した。

 刃を失った神之神霧露は可変展開、ランチャーに戻ると牽制を込めてヒルトは撃つ。

 大気を焼く粒子砲――一夏は左腕の多機能武装腕《雪羅》から《霞衣》を展開させた。

 粒子ビームを無効化する霞衣――激しく四散する粒子ビーム。

 端から見ると一見派手で盛り上げるには十分だった。

 だがこの時点で一夏のエネルギーは五〇〇を下回る――逆にヒルトはまだ六〇〇以上と差が広がっていた。


「ぜらあああっ!!」


 再度瞬時加速で肉薄――雪片の一撃はヒルトに掠りはしない、だが動きの鈍いヒルトはその隙をついて一撃を与えられなかった。

 雪片の勢いそのまま、回し蹴りを放つ一夏の一撃はシールド・バリアーに干渉、エネルギーを減らすも電離分子結合殻装甲から放たれるプラズマが一夏のシールドにも干渉し、削られた。

 霞衣の範囲外からのプラズマ干渉は予想外のエネルギーダメージを与えていた。


「まだまだぁッ!!」


 一夏の叫びは木霊する、また反応が遅れたヒルトだが零落白夜の一撃は確実に回避していた。

 傍目から見ても一夏が押してる様に見える試合の流れ、反対派のオーランドも満足そうに頷く。


「ハッハッハッ、なかなかいい試合ではないか! やはり織斑一夏君の方が上手のようだな!」

「その様で、現に有坂ヒルトはろくな反撃も出来ていませんからな!」

「ハハハッ! そこだーっ! いけっー! 落ちこぼれに格の違いを見せつけてやれー!!」


 愉快そうにはしゃぐ反対派――だが表示されてるシールド・エネルギーの差は二〇〇と開きかけていた。

 試合を見守る千冬にとっては複雑だった、疲労しているヒルトにろくに攻撃を当てる事も出来ない一夏。

 それどころかエネルギーの消耗率を計算に入れない戦い自体が不味かった。

 そもそも――白式は近接特化仕様の欠陥機、第二形態移行してからはエネルギー消費率が加速的に跳ね上がり、誰から見ても扱いにくい機体となっている。

 勿論本人がそれらを考慮すれば良いのだが、最近までアリーナが使えなかった事もあり、ろくに訓練出来ず、明らかにヒルトとの差は広がりを見せていた。

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