第十話 巨人その十
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「こうしてお茶を飲むこともいいなんてな」
「意外だったか」
「そうだ」
英雄もその茶を飲みつつ応えた。
「これもだ、水分補給だけじゃない」
「ビタミンもだな」
「それも補給出来る」
「だからいいんだな」
「水を飲むよりいい、もっと言えばだ」
「お湯だな」
「生水よりいい」
湯の話もだ、英雄は言った。
「生水は出来る限り、もっと言えば絶対にだ」
「ああ、生水はな」
「これまでも気をつけてきたな」
「色々雑菌が入ってるからな」
「下手に飲むと身体を壊すもとだ」
「だからだな」
「こうして湯にしてだ」
茶を入れたコップを片手にしての言葉だ。
「飲む方がいい」
「沸騰させて殺菌してな」
「そうだ、そしてだ」
「どうせ飲むならだよな」
「茶の方がいい」
それが飲めるならばというのだ。
「あえて茶の葉を買ったのもその為だ」
「ビタミンの補給にもなってな」
「そしてだ」
さらにだった、彼は言ったのだった。
「味もよくなる」
「そうそう、お茶ってな」
「そうだな、味もいいな」
「かなりな」
「湯をそのまま飲むとだ」
その場合についてもだ、彼は話した。
「味気ない」
「水もそうだけれどな」
「湯は特にだ」
沸騰させた湯はというのだ、もっと言えばそれは生水にしてもそうだ。
「味気がない」
「水分補給にはなってもな」
「だから茶にして飲むといい」
「そういうことだよな」
「こうして茶で飲むに限る」
ただ湯を飲むより遥かにいいというのだ。
「何につけてもな」
「その通りだな」
「美味いしビタミン補給にもなる」
「その二つでだな」
「その通りだ、ではだ」
「これからも茶を飲むか」
こう話してだ、そのうえでだった。
二人で食事の時に水分補給も兼ねて茶を飲んだ、それは久志にとっても英雄にとってもいいものだった。そして。
食事の後でまた旅を再開するが暫くは何もなかった、それでだった。
久志は周りを見回してだ、英雄に話した。
「急に静かになったな」
「今のところはな」
「また急に出て来るかも知れないな」
「そうした世界だ、この世界は」
「それだけ物騒だってことだな」
「しかも多くの国に分かれている」
英雄は久志にこのことも話した。
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