第十話 巨人その八
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「どうだったか」
「並の武器だったらな」
「デルフォイに来るまでの剣や刀だとだ」
「勝てなかったな」
「到底な」
「炎や氷を飛ばせて斬れるって凄いよな」
久志は既に腰の柄に収めてあるレーヴァティンを見つつ言った。
「実際な」
「これ以上はないまでにな」
「普通にやったら絶対に倒せない巨人共もな」
「こうして倒せる」
「それも楽にな」
「そうだ」
まさにとだ、英雄も己の天羽々斬を見つつ久志に応えた。
「倒せるものではなかった」
「逆に倒されてたな」
「喰われていたかも知れない」
この可能性もだ、英雄は久志に話した。
「その可能性もあった」
「巨人共の餌にか」
「なっていたかも知れない」
そうだったというのだ。
「並の武器だとな」
「洒落になっていないな」
「だからこそ深刻な問題になっている」
この世界においてというのだ。
「連中はな」
「まともにやっていたら倒せないからか」
「到底な、しかしだ」
「俺達なら倒せる」
「それも楽にな」
「このことは大きいな」
「また連中が俺達の前に出て来たらだ」
その場合はというのだ。
「こうして倒すまでだ」
「そうだな、じゃあ行くか」
「そしてだ」
英雄は久志にまた話した。
「後はだ」
「ああ、倒したからな」
「金を貰うか」
「さて、どれ位の金になってるかな」
「それも見よう」
こう話してだ、そしてだった。
二人で馬に乗ったまま巨人達の残した金を見た。それは彼等がはじめて見るだけの大量の金貨いや金塊達だった。
その六つの金塊の山を見てだ、久志は目を輝かせて唸った。
「凄いな、おい」
「全くだな」
英雄もその金塊達を見て言った。
「これだけの金があるとな」
「正直食うのに困らないな、この世界で」
「それどころかだ」
「一財産か」
「それ位はある」
英雄は久志に真顔で話した。
「これはな」
「こんなにあるなんて凄いな」
「全くだ、ではだ」
「ああ、金塊全部拾ってな」
「行くか」
「お金はな」
久志はここで自分の考えも述べた。
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