第十話 巨人その七
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「それならだ」
「倒すだけだな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「いいな」
「ああ、やるか」
「二人でな」
「合わせて六人か」
久志は巨人達の数を目で数えて呟いた。
「一人当たり三人だな」
「普通なら無理だ」
英雄は巨人達の文字通りの身体を見上げつつ久志に言った。
「一人を相手にすることすらな」
「そうだよな、並の武器じゃな」
「相当な力量でもな」
そうだとだ、久志にまた言ったのだった。
「無理な相手だ」
「けれどだよな」
「今の俺達ならいける筈だ」
「この刀剣ならな」
「そうだ、倒すぞ」
「今からな」
三人で話してだ、そしてだった。
彼等は馬を駆ってそのうえで巨人達に向かった、巨人達の身体は途方もなく大きく相手に出来そうもないと思われた。
しかしだ、まずは久志がだった。
剣を抜いた、するとレーヴァティンは早速だった。
抜かれたその剣身が紅蓮の炎に包まれた、その紅蓮に燃える剣を最初に向かって来た巨人に向かって斜め上に横薙ぎに放って出すと。
巨大な炎の刃となり巨人の身体を両断した、巨人は胴も腕も真っ二つとなりその斬られた場所から炎に包まれてだった。
焼け落ちたそれぞれの身体が燃えてこと切れた、そして英雄は。
次に来た巨人に対して抜いた氷の刃を上から一閃させて氷の刃を放った、するとその巨人は唐竹割りで両断されたが。
斬られた二つの身体がそれぞれ氷になって凍って左右に分かれ粉々となった、久志は自分達が倒した巨人達を見て言った。
「やはりな」
「ああ、この武器だとな」
「倒せるな、巨人達も」
「それもかなり楽にな」
「それだけこのレーヴァティンが強いってことか」
「天羽々斬もな」
久志は自身の刀のことも話した。
「見事なものだ」
「相当に強いな、どちらも」
「それぞれ一人ずつ倒した、ならだ」
「あとの連中もだな」
「倒していくぞ」
「わかった、ではな」
こう話してだ、そしてだった。
久志は先に二人倒されても臆することなく来た三人目の巨人に対してまた天羽々斬を一閃させた、今度は袈裟斬りにだった。
するとまた氷の刃が飛びそれが巨人を両断して凍らせた、久志もそうしてだ。
巨人を斬った、彼も袈裟斬りだったがまたしても斬ると共に燃やした。二人は返す刀で残る二人もそれぞれ倒した。
はじめて戦った巨人達だったが一度も攻撃を受けることなく全員倒した、久志は巨人達が一人もいなくなったのを見届けて言った。
「初戦だったけれどな」
「巨人達とはな」
「楽に倒せたな」
「そうだな、しかしだ」
「やっぱり武器のせいだな」
「若し炎や氷の刃を飛ばせなかったらだ」
それで巨人達を一撃で倒すことが出来なかったならというのだ。
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