最初の変身!救世主は高校生?(7)
[8]前話
「……。いえ、初対面のはずですけど」
すこし間があったあと、敦志が言ったのは零が期待したものとは違うものだった。
「そうでしたか、なんか初めての感じがしなくて。すみません」
勘違いだったことを謝罪し頭を下げる。すると敦志は微笑を浮かべて近づいていく。
「たまにありますよね。そういうこと」
すると敦志は手を前に突き出し何もない手をパチンとフィンガースナップをする。その手には青いバラが現れた。
「うわぁ…スゴい!手品ができるんですね!」
「こんなの嗜むレベルさ。初めての友達記念に」
敦志は零にバラを渡す。そのバラを受けとった零は微笑を浮かべ照れ臭そうにしていた。
「キザですね。初対面の人相手に」
「もう初対面じゃないだろ。友達第1号としてよろしく」
敦志はそう言って手を前に出す。零はバラを左手に持ち変えその敦志の手を握り握手を交わした。
「こちらこそよろしくよろしくお願いします。一之瀬 敦志さん」
「お、零おかえり〜」
敦志と別れた零はその後まっすぐ教室に戻ってきた。教室にはさっきよりも生徒の数が多くなっていた。
「ん、なにそれ?」
光は零が左手に持っている青いバラに目を向けた。
「あぁ、これは__」
「もしかしてさっき貰ったの??。…ってことは」
優奈は告白した相手から貰ったものだと認識。それは優奈と光に誤解を生むには充分だった。
「あ、違います!。これさっきあった転校生に貰ったんです。友情の印にって」
「転校生…あぁ、さっきの変わり者のね」
「貰ったってことは会ったんだ。転校生と」
「はい、実はちょっと助けてもらってて」
零はこれまでのことを優奈と光に話した。
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