34部分:第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその九
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第三話 関羽、趙雲と死地に赴くのことその九
娘の案内ですぐに子供達が捕らえられている部屋に来てだ。彼等を救い出しそのうえでアジトから出ようとする。そしてその頃。
張飛とナコルルは山の裏手に回っていた。そこから山賊達の背後を攻めようというのだ。木々が生い茂る山道を進みながらの言葉だ。
「あの、張飛さん」
「どうしたのだ?」
「それも持って来たのですか」
「当然なのだ」
見れば彼女はその手に持っているのは蛇矛だけではなかった。青龍偃月刀も持ってそのうえで山道を進んでいるのである。
「それは」
「そうなんですか」
「愛紗はこれが絶対に必要なのだ」
こう言うのである。
「だからなのだ。それでなのだ」
「けれどそれは」
「どうかしたのだ?」
「かなり重いですが」
ナコルルは怪訝な顔で彼女に言葉を返す。
「それでもなんですか」
「鈴々は全然平気なのだ」
平然と返す張飛である。
「これ位の重さ何でもないのだ」
「あの、でもそれは」
「ナコルルはそこまで考えなくていいのだ」
ナコルルがまだ言おうとするのは止めた。
「それよりもなのだ」
「はい、これからですね」
「そうなのだ。そろそろあの三人も動くのだ」
「テリーさん達が」
「それでナコルル」
ナコルルの顔を見ながら言ってきた。
「あの三人もナコルルも真名をそのまま呼んでいいのだ?」
「はい、それが私達の世界では普通です」
「変わった世界なのだ。しかしそれならそれで言わせてもらうのだ」
張飛は首を傾げさせながら述べた。
「ナコルル。それでいのだ?」
「はい、それで御願いします」
あらためてこう話すのだった。そうして先に進むのだった。
その頃関羽は趙雲と共に子供達を救い出しアジトを脱出しようとしていた。しかし二人も娘も子供達も道はわからない。それで出て来たのは。
「くっ、しまった」
「まずいな」
外に出た。しかしそこは崖のすぐ前だった。そこに出てしまったのである。
「まずいな、後ろにはもう来ているぞ」
「テリー達がそろそろ来るにしてもな」
「あっ、張飛さん!」
「見えているのだ!」
しかしここでナコルルと張飛が二人と子供達の姿を認めたのだった。
「関羽さんと趙雲さんが」
「それに子供達もいるのだ」
「鈴々、それだ!」
関羽は彼女が蛇矛と共に手に持っているものを指差して叫んだ。
「それを投げてくれ!」
「これなのだ!?」
「そうだ、それだ!」
彼女自身が持っている青龍偃月刀を指差しての言葉である。
「それを渡してくれ、すぐにだ!」
「わかったのだ!」
こうしてだった。張飛はすぐにその青龍偃月刀を関羽に向かって投げた。それは凄まじい唸り声をあげ飛び関羽は右手で掴み取った。
「よし、
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