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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第18話『亡霊の悪鬼〜テナルディエの謀略』【Bパート】
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一幕――ティッタと呼ばれる少女が、嗚咽を漏らして凱の胸元へ泣きついたところで、ヴァレンティナの視界は途絶えた。
一体どういうことか?エザンディスは『幻』となった過去をさかのぼり、主に映像を送り込む。
視界の隅に、『そうとなった』と思われる『黒幕』が目に映る。
黒き弓を引き絞り、『力』を一転に集中させている若者と――
『アリファール』に酷似した金色の剣を持ち、一人の老人の首を締めあげて、盾にしている公爵――
二人が相対していた。

――テナルディエ公爵!早くバートランを離せ!――

――そうだ!ヴォルン!よく狙え!私を倒したくば、この『そば仕えの老人』ごと打ち抜くほかないぞ――

――バートラン!――

――どうした!?ヴォルン!撃て!撃って見せろ!――

――(……出来ない!俺がバートランを撃つなんて!)――

――やはりそうか!震える『黒弓』を見る限り、結局貴様はそうなのだ!ヴォルン!――

――俺は……俺は!!――

――逃したな!この老人が『生きている』間が、私を撃てる勝機(チャンス)だったのだ!――

――……どうして!こんな!――

――いいか、ヴォルン。犠牲のない『戦争』など…………無い!――

次の瞬間、ティグルの中で何かが『はじけた』
『幻想』の記憶に包まれた感覚にさいなまれて――










◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇










――ティグルヴルムド……お前はティグルヴルムドだ――

それが……ボクの……な……ま……え?

――そう、あなたはティグル――

ボクは……ティグル?

――わたしのティグル――

あなたの……ティグル?ボクは……

――かわいいティグル――

ティグル……ティグル……それが……ボクの……ナ……マ……エ?

それは、この世に生を受け、産声を上げた時の小さな記憶。
ティグルヴルムド。まだ歳を重ねていない幼子の頃の記憶である。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





――ティグルヴルムド――

父さん?

――さあ、耕してみろ――

そう言えば、こんなこともあったっけ?
父さんから渡された鍬で、言われた通り耕したら、手がマメだらけになって僕は根をあげた。

――彼らは毎日のように畑を耕している。どんな時でも生きるために、皆やっている――

僕だって狩りをしているよ。この前なんか、こんな大きな鹿を仕留めたんだ。

――ティグルヴルムド。そなたの技量は今の歳を考えれば見事なものだ。しかし、生きる為に狩りをしているのではないのだろう――

う〜ん?よくわからないや?幼い頃の自分はそう
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