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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第18話『亡霊の悪鬼〜テナルディエの謀略』【Bパート】
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…竜……『ヒトを超越した』それらを、躯の大地の苗にして『華』とした伝説がまだ生きているなら、直接その目で確かめたほうがよろしいかと――」

その言葉は、シーグフリードからヴィクトールに向けられたものだった。
疑うなら自身で刮目せよ。
シシオウ=ガイという人の(さが)を。

「……話はそれで終わりか?」

ヴィクトールとしては、早く会議を終わらせたい気分だった。決して面倒などという理由からではない。そうしなければ、会話だけで心臓が持たないと感じたからだ。

「いえ、本題はこれからです」

さらに口元がゆがむ。
そのシーグフリードの言葉の意味を、全員が一瞬理解できなかった。
今度はオーガスタス=アーサーが銀髪の人物をとがめる。

「おい、シーグフリード。お前は何をしようと?」
「今すぐ案内しろ。『俺たちの戦いに耐えられる場所』をな」

アーサーの言葉を流して、シーグフリードは戦姫へ視線を向ける。
そして、薄ら笑いを浮かべながら、シーグフリードは信じがたいことを口にした。

「シシオウ=ガイ……大陸最強の『獅子王』と戦わせてもらおうか」

その宣戦布告と『前祝』に、全員が息を呑んだ。

「心配ない。ただの『夜遊び』だと思えばいい」

危険だからこそ楽しい。脱線したこの理屈を全員が戦慄した。

「オレに任せておけばいい」

言いようのない危うさを秘めた信頼が、この場の空気を凍てつかせた。










◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇









二人の戦いに耐えられそうな場所――そう告げられて、ヴァレンティナは手を顎に当ててしばし考えた。
王宮にある戦姫専用闘技場――戦姫の竜技に耐え凌ぐ戦闘領域空間を有する唯一の場所。
だめだ。そもそも今回は『極秘』の密会だ。王宮の中枢である中でそんなことをするなど論外だ。『人』の集まる場所で戦わせるなどできない。
ならば、『人』が立ち入れない場所はどうだろう?
例えば――――――――ルヴーシュの『ザガンの神殿』や『バーバ=ヤガーの神殿』は?
築何百年にもなろう建造物……物質の劣化や地盤沈下が気がかりだ。
だが……もし、彼ら二人の実力が本物なら、『天変地異(ヴァイブレーション)』など何ら問題など無いはずだ。
多少環境において不利であろうとも、それで倒れるなら『力不足』と判断するまで。大切な勇者といえど、彼女は目的を達成するためならば、犠牲という手段に何のためらいもなかった。
凱を生贄にする。今まで夢を見てきたものが、野望と成り果てたとしても――

(問題は、どうやってガイを誘導するかですね)

さらに考える。他者にも間者にも知られないで、ガイに接触を図れないものかと。
使者を遣わ
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