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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
19.生還者対最強妖精
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様らのような男がスプリガンとインプにいたとはな……。世界は広いということか」
「俺の話信じてもらえるかな?」
「……」
ユージーンはまだ疑っているように目を細める。
するとサラマンダー部隊の前衛の方から一人のプレイヤーが降下してくる。ガシャリと音を立てて着地するとユージーンに歩み寄る。
「ジンさん」
「カゲムネか、何だ?」
その名前を聞いてリーファに緊張が走った。確かその名前は先ほどのメイジ部隊が言っていたシュウが戦闘を行なったサラマンダーのリーダーだ。
「昨日、俺のパーティーが全滅させられた話をしたじゃないスか」
「ああ」
「その相手が、まさにそこのインプなんですが───確かにスプリガンが何人か一緒でした」
「!?」
リーファは驚愕してカゲムネの横顔を見つめた。キリトとシュウもわずかに眉を動かすがすぐにポーカーフェイスに戻る。
「別動隊で動いていたパーティーがやられたっていう話もそこのスプリガンですよ。それにエスの情報でメイジ隊が追ってたのもこの男たちですよ、確か。どうやら全滅したようですが」
エス、というのはスパイの隠語だ。あるいはそのままシグルドの頭文字かもしれない。
ユージーンは首を傾け、カゲムネを見る。
軽い沈黙の後にユージーンは軽く頷くと言った。
「そうか。───そういうことにしておこう」
軽く笑みを浮かべてキリトの方へと向きなおる。
「確かに現状でスプリガン、インプとことを構えるつもりは俺にも領主にもない。この場は引こう。───だが貴様とはいずれもう一度戦うぞ」
「望むところだ」
キリトの差し出した拳に自らの拳をゴツンと打ち付けると身を翻して翅を広げ地を蹴った。
「いい勝負だった。またキミとは剣を交えたい。私の名前はシータだ」
「ああ、あれだけ楽しかったのは俺も久しぶりだ。またやろうぜ! 俺はシュウだ」
シュウとシータは互いに強く握手を交わした。そしてシータはユージーンの後を追って飛んでいく。
それに続いて飛び立ったカゲムネがリーファの方を向き、ニッと笑みを浮かべ不器用に右目を瞑った。借りは返した───とでも言うのだろうか。リーファもわずかに笑みを浮かべる。
地上に残されたものが見守る中、サラマンダーの大部隊はユージーンを先頭に隊列を組み直すと雲の向こうへと消えて完全に見えなくなった。
そこでようやくリーファの緊張が一気に溶けた。
そんなことも知らずに呑気な声でキリトは、
「……サラマンダーにも話のわかる奴がいるじゃないか」
「……あんたってメチャクチャだわ」
「よく言われるよ」
「こいつのムチャクチャは今に始まったことでもないしな」
笑い合う三人にサクヤが咳払いを一つしてから
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