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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
19.生還者対最強妖精
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驚愕のあまりサラマンダーの目が見開かれた。刀の横をすり抜けていくシュウの右手に光が集まっていく。それは徐々に形を形成していく。鋭く尖った剣先、片手剣にしてはやや短く装飾も中央に小さな宝石が埋め込まれているだけのシンプルなものだ。
それはサラマンダーの体に当たる寸前にオブジェクト化する。
この世界に《クイックチェンジ》のスキルは存在しない。武器を入れ替えるにはメニューウインドウの奥地まで開き、そこから選択しなければならない。手順としては長く戦闘中に行うことなど普通の速度でやっていれば隙しかうまない危険な行為だ。しかし、それだからこそできることがある。そんなことが起きるわけがない。起こるはずがないと思っている相手に対して突如として持っている武器が変わるというのは意外と大きな動揺してしまうものだ。

片手剣は侍のサラマンダーの胴体から真っ二つに分断された。驚愕の表情のままに体を赤い炎が包み込んでいく。
辺りは静寂に包まれていた。先ほどまで聞こえた爆音も今はもうしない。どうやらキリトの方も決着がついたみたいだ。
一度大きなため息をついてから空を見上げる。
上空から降下してくる黒衣の妖精。かなり疲労しているようだが、どこかその表情は楽しげだった。そういうシュウも疲れてはいたが、自然と口からは笑みがこぼれる。
シュウもキリトの位置まで上昇し高度を合わせる。互いに無言のままに拳を突き出す。
そしてぶつけ合う。それとほぼ同時に辺りからは歓声が響き渡った。


────────────────────


シルフもケットシーもサラマンダーもその場にいた誰もがシュウたちのハイレベルなデュエルに歓声を上げていた。
流れるような剣舞、空を裂く高速エアレイド、ユージーンとシータの圧倒的なエクストラ効果とそれを最大限まで生かした戦闘と、それらを打ち破ったキリトの超高速二刀流とシュウの手刀と高速の武器入れ替え──。
歓声の輪の中心にいる二人は、相も変わらぬ飄々とした笑みを浮かべながら、それぞれの武器を背に戻す。

「誰か、蘇生魔法頼む!」

シュウが台地につくとリーファたちの方へと叫ぶ。

「解った。リーファ、そちらを頼む」

サクヤの言葉にリーファは頷き、シータのリメインライトへと向かいスペルワードを詠唱。
詠唱が終わると同時に赤い炎を中心に徐々に人の形を取り戻していく。
蘇生したシータは、深々とリーファはお辞儀をすると台地へと降りてきたユージーンの隣まで移動した。

「───見事な腕だった。俺が今まで見た中で最強のプレイヤーだ、貴様は」

「そりゃどうも」

短くキリトが答える。
ユージーンがチラッとシータを見る。するとわずかに笑みを浮かべて、

「言い訳のしようもないくらいの完敗でした」

「……そうか。貴
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