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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
19.生還者対最強妖精
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の二種の武器を抜き取ると右手に長剣、左手に槍という変則スタイルで構える。
「つうわけだからさ。リーファ、それに領主御一行様は少し離れててもらえるかな」
リーファはこくりと頷いてからサクヤたちとともに台地の端っこに固まる。
どちらも実力なら三十秒耐えきることは容易の行える。
緊張した空気の中、サクヤが低く囁いた。
「まずいな……」
「え……?」
「スプリガンが対峙している方のサラマンダー……あの両手剣、レジェンダリーウェポンの紹介サイトで見たことがある。《魔剣グラム》……それに先ほどユージーン将軍と侍の男が言っていた。リーファも名前くらいは聞いたことがあるだろ」
リーファは軽く頷いた。
「サラマンダー領主『モーティマー』の弟……リアルでも兄弟らしいがな。知の兄に対して武の弟、純粋な戦闘力だけで言えば、ユージーンの方が上だと言われている。サラマンダー最強の戦士……ということはつまり……」
「全プレイヤー中最強……?」
「ってことになるな……」
「それにあの侍みたいなサラマンダーも相当やばいヨ」
アリシャが口元に人差し指を置きながら呟いた。
「知ってるのか、アリシャ?」
アリシャはこくりと頷く。
「確かプレイヤーネームは……シータだったかナ? ウチの領内では要注意人物の一人。噂じゃ、ユージーンと互角に渡り合えるだとか、武器の性能を除けばその実力はユージーン以上だとか色々とヤバイ噂があるヨ」
「……シュウ君、キリト君……」
リーファは両手を胸の前でぎゅっと握りしめた。
空中と地上で対峙する戦士たちは睨み合う。誰かが動けばその瞬間、戦いが始まるだろう。
高原の光がユージーンの剣にあたり、反射したその瞬間。
予備動作一つなくユージーンが動いた。
それをわかっていたというように侍のサラマンダーの一気に間合いを詰めた。
大きくふりかぶられた大剣と刀が二人を襲う。
だが二人の反応速度ならば受け流すことは余裕だろう。そう思っていた直後だった。
とてつもない爆発音が響いたと思うと上空のスプリガンは凄まじい勢いで地面へと激突し、土煙をあげる。一方、地上でも爆発音鳴るとともにリーファたちの目の前に何かが飛んできて地面へと突き刺さった。それは先ほどまでシュウが持っていたはずの長剣だった。
どちらも何が起きたのか理解できなかった。
「な……いまのは!?」
絶句するリーファに答えたのはアリシャー・ルーだった。
「魔剣グラムには、《エセリアルシフト》っていう、剣や盾で受けようとしても非実体化してすり抜けてくるエクストラ効果があるんだヨ!」
「あの侍の持ってる武器……《妖刀ムラサメ》だ」
サクヤが険しい表情で呟いた。
「《妖刀ムラサメ》?」
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