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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
19.生還者対最強妖精
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づいていない。
「───間に合わなかったね」
リーファは、傍でポツリと呟いた。
六十八人ものプレイヤーを相手にすることなど絶対に不可能だ。最悪、領主たちだけでも逃す努力はしなければならない。
「ありがとう、シュウ君、キリト君。ここまででいいよ。キミたちは世界樹に行って……短い間だったけど、楽しかった」
笑顔でそれだけ言って、ダイブ体勢の入ろうとしたその時だった。
「ここで逃げ出すのは性分じゃないんでね。行くぞ、シュウ! 話を合わせてくれ!」
「ああ、任せとけ!」
二人は拳をぶつけ合うと翅を思いっきり震わせて猛烈な加速。バン!という衝撃音とともに台地めがけてダイブしていった。
「ちょ……ちょっとぉ!! なによそれ!!」
シルフとケットシーたちがようやくサラマンダー部隊の接近に気づいて次々と椅子を蹴り、抜刀していく。
サラマンダー部隊も一気に左右へと展開して台地を半包囲するような形をとる。
サラマンダーの一人がさっと手を上げ、振り下ろそうとしたその瞬間だった。
対峙する両者の中央、台地の端に、巨大な土煙を上げた。一瞬遅れて、ドドーン!という爆音が二回大気を揺るがす。
その場にいる全ての者が凍りついたように動きを止める。薄れゆく土煙の中、二人の人影が浮かび上がる。仁王立ちをした二人の黒衣の剣士がサラマンダー部隊を睨みつける。キリトが大きく息を吸い込んで───
「双方、剣を引け!!」
数十メートル上でダイブ体勢に入っていたリーファさえも煩いと感じるほどの大声。それはサラマンダー部隊をわずかに後退させる。
キリトたちが何をするかわからない。しかし何か良からぬことをするんじゃないかと嫌な汗が背中を伝う感覚を感じながらリーファは二人の背後のシルフたちの集団の近くに降りる。
「サクヤ」
シルフの長身で長い髪をなびかせる女性───シルフ領領主のサクヤが目を丸くしている。
「リーファ!? どうしてここに───!? いいや、そもそも、これはいったい……?」
「簡単には説明できないのよ。一つ言えるのはあたしたちの運命はあの人たち次第って、ことだわ」
「……何がなにやら……」
サクヤは黒衣の二人の剣士に視線を向ける。その心中穏やかではないはずだ。突如現れたサラマンダー部隊にそれに対峙するスプリガンとインプの妖精。
その様子を同様に困惑した目で見ているのが小柄でウェーブヘア。ケットシー種族の特徴である三角の大きな耳のケットシー領領主たるアリシャー・ルーだ。他のシルフ、ケットシーの両陣営の者たちも揃って唖然とした表情で立ち尽くしている。
「指揮官に話がある!」
キリトが叫ぶとその声に圧倒されたかのようにランス隊の輪が割れ、その先に大柄の一人の剣士が見える。
炎
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