暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
19.生還者対最強妖精
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雲海の彼方。朧に浮かぶ巨大な影。かつて人々が神への挑戦、天まで届かせようとし、その逆鱗に触れて崩壊した『バベルの塔』を彷彿させる巨大な天地を貫く太い幹。

「あれが……世界樹……」

隣のキリトが畏怖の念とのこもったような声で呟いた。
この距離でここまでの迫力があるのならば根元に立てばどれだけの光景になるのか想像がつかない。
三人ともしばし世界樹を見つめていると我に返ったキリトが言った。

「あ、こうしちゃいられない。リーファ、領主会談の場所ってのはどの辺りなんだ?」

「あっ、そうね。ええと、今抜けてきた山脈は、輪っかになって世界中央を囲んでるんだけど、そのうち三箇所に大きな切れ目があるの。サラマンダー領に向かう「竜の谷」、ウンディーネ領に向かう「虹の谷」、あとケットシー領につながる「蝶の谷」……。会談はその蝶の谷の、こっち側の出口で行われるらしいから……」

リーファはマップを確認したのちにぐるりと辺りを確認して指を指す。

「北西のあの山の奥よ」

「残り時間は?」

「……二十分」

「間に合ってくれよ……」



「それにしても、モンスターを見かけないなあ?」

「あ、このアルン高原にはフィールド型モンスターはいないの。だから会談をわざわざこっち側でするんじゃないかな」

「なるほど、大事な話の最中にモンスターが湧いちゃ興醒めだしな……。でも、この場合は有り難くないな」

「どういうこと?」

するとシュウが呆れた顔をしながらキリトの代わりの答えを出す。

「どうせ、そこら辺のモンスター全部引っ張ってサラマンダー部隊にぶつけようとか考えてたんだろ」

キリトはニッと悪戯っぽく笑う。

「……よくそんなこと考えるわね。サラマンダーは洞窟で襲ってきた時以上の大部隊らしいから、警告が間に合って全員でケットシー領に逃げ込めるか、もしくは揃って討ち死にか、どっちかだと思うよ」

「「…………」」

二人は考え込んでいる。

「プレイヤーの反応です!」

不意にユイが叫んだ。

「前方に大集団───六十八人、これがおそらくサラマンダーの強襲部隊です。さらにその向こう側に十四人、シルフ及びケットシーの会議出席者と予想します。双方が接触するまであと五十秒です」

その言葉に思わず息を呑んだ。───六十八人。仮に警告が間に合ったとしても途中で追いつかれたりすれば逃げ切ることもほぼ不可能だ。
そして視界を遮っていた雲が晴れてそこに映った光景。無数の黒い影。それがフォーメーションを作り集団で飛行している。
それらが目指すのは、円形の小さな台地。長テーブルに左右に七つずつ椅子が据えられており、そこで話し合っている十四人のプレイヤーたち。
未だ迫り来る脅威には気
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