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ORPHNOCH-灰虚の迷い子-
ORPHNOCH-灰虚の迷い子-
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理矢理立たせて腹部を殴打、追い討ちと言わんばかりに俯せになりながら嘔吐する海尋の頭をグリグリと踏みにじりながら地面へと押しつける。最早この暴力行為は親が子の愚行に対する仕置きの域を越えた体罰でしかない。

「今の今までは貴様の反抗的極まりない態度を静観していたが、それも今日で終わりだ………。」

「ゴブッ…ゲェエエエエ…ぜひっ…ぜひっ…はあ、はあ…!!」




「死ね。」




たった一言、死刑宣告が下された瞬間
…バラクーダオルフェノクは右手をかざすと同時にそこから牙の形をした弾丸を生成し、全弾を実の娘である海尋に向け、無慈悲に放つ…。



「ぐぶっ…が、げっ…」


弾丸によって貫かれた海尋の心臓はなんと焼失し、そのまま彼女は絶命した…。

「ハッ…こいつもハズレだな、本当の意味で…」

バラクーダオルフェノクは心底つまらなさそうに自分の娘であるはずの海尋の死体を見下ろした…。

今やった行為は『使徒再生』と呼ばれるオルフェノクがオルフェノクという極めて特殊な種族を増やすための手段である。オルフェノクの生成した武器や触手などにはオルフェノク特有のエネルギーがこもっており、それを人間の心臓目掛けて放って相手にエネルギーを流し込んで焼き払うことによって人間をオルフェノクに変化させる…だが、そのエネルギーに耐え切ってオルフェノクとして復活する者はごく僅か、極めて低い成功率しかない、大概が灰と化して死亡するため、大半のオルフェノクの抱く使徒再生への認識は人間の殺害のついでの戯れでしかない。

「いずれ来たる我らだけの世界のため、優れた力を持つ我々の数を増やさねばならないというのに、適応力のないクズしかいない…このままでイカン!」

オルフェノクはまだまだ人間に比べれば小数種族、彼らは仲間を増やし、最終的には人類全てをオルフェノクか灰に変え、自分達の理想の世界を築く…それが最終目的である。しかし、思いの外に使徒再生は成功率が低いため中々に数は増やせず、無駄に灰を増やすだけの徒労に終わっている。バラクーダオルフェノクはこの現状に焦りつつ、また獲物を求めるため足を動かす…と、その時だった。

「…う、うう…?あれ、私…一体…。


死んだと思われていた海尋はゆっくりと立ち上がると無意識に顔に奇怪な紋様を浮かび上がらせながらその姿を父親同様の異形の姿に変化させていた…。



全体的には父親と同じく魚類を彷彿とさせるオルフェノクではあるが、見た目は全く異なる…童話や神話などに出てきそうな人魚を思わせる妖しくも美しいイメージのあるビジュアルを持ち、頭部にはポニーテールの髪型にも見える様にあしらわれた長い胴体をした何かしらの魚のオブジェ、顔は錦模様が走りそれら全てが顔に必要なパーツを象
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