第一部 ケイオスクルセイダーズ
第一章 紅霧異変
11.咲夜の世界2
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コチ……
「俺が時を止めた。あんたが能力が解除された時点でな」
(なっ!しまった!完全に不意をつかれた!)
咲夜が自身の失態を悔いるまもなく、丞一は砲門をすべて咲夜に向き、砲門がドーム状に取り囲んだ。
そして、すべてのフォークを四方八方へ撒き散らす。
そして、すべてが咲夜の目の前で止まる。
「あっけのない幕開だぜ。さてと、早く戻すもん戻さんと───────あんた、死ぬぜ?」
それと同時に時は刻み始める。
かつて、丞一と戦った魔理沙はフォークについてこう語った。『数十本でも刺されれば痛みのあまりショック死するレベルだぜ』と。そして、そのフォークが今まさに、百本にまで届こうとしているのではないか、という数で咲夜に迫っていた。
人は死ぬと思った瞬間今までの人生が走馬灯が駆け抜けるという。もちろん、彼女にも駆け抜けた。
しかしそれは、彼女に身の覚えのない物ばかりだった。
『勝負だ姉さん!今日こそその顔面に拳をたたき込んでやりますよぉ!』
銀髪を肩まで伸ばし何故か後ろで括っている弟との記憶。
互いに切磋琢磨し、参考資料(ジョジョ単行本)を読み漁り、実力を高めあった、自慢の弟。
彼女自身は何故忘れていたかは知らない。だが、今ならばわかる。『さっきの』自分が勝てなかったわけが。
止まっていた者に勝ち目などなかったのだ。彼は進んでいたのだ。勝つため負けないために。
そして、実に十九年という短い人生の記憶の旅は終わった。
「強くなったわね、ジョジョ。それしか言う言葉が見つからない」
「っ!」
彼女は紡ぐ。
彼、慶条丞一の義姉でも紅魔館の瀟洒なメイドでもない。
『十六夜の如く、夜に咲き誇る』十六夜咲夜のしての物語を。
そして、自覚せし者は自らの能力を超越する。
「『ルナダイヤル・キング・クリムゾン』!」
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