第一部 ケイオスクルセイダーズ
第一章 紅霧異変
11.咲夜の世界2
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って?」
「あんたがただの『紅魔館の専属メイド』である限りは、俺に勝つどころか指一本触れられない」
「何を、言っているの?」
咲夜には丞一の言っていることがわからなかった。そんな咲夜の様子を見て丞一はため息をついた。
「はあ、仕方ない。ショック療法のしかないみたいだな。せいぜい死んでくれるなよ」
「何ですっ────え?」
「な、なんだ、ありゃあ!!ジョジョの後方に大量のフォークが待機しているっ!!しかもそれぞれの砲門が咲夜さんをピッタリマークしている!あれでは咲夜さんは逃げることすらままならない!」
早苗の解説通り、丞一の後方には金色の波紋が空中に浮かびその中心にはフォークが待機していた。
これこそが、丞一の数ある奥の手の一つだ。
「スタンドの能力と自身の能力を最大限に生かし、それをより実践的なものにして型に落としたものこそが──────スタンドCQC!」
「ス、スタンドCQC?」
「『Closed Quarter Combat』!近接戦闘のことだ。そして、これが俺の『空間を操る程度の能力』でフォークを取り出し座標を固定、重力操作でフォークに重力を乗せ射出、そしてそれを能力で空間を操り回収する。このサークルを永遠と続ける!そうこれこそが、俺のスタンドCQCパート2!『明滅し煌々とどまることの知らない王の三叉』だ!!」
丞一の高らかとされた宣言とともにすべての砲門から三叉槍が放たれる。
咲夜はナイフを放ったり、彼女のスタンド『ルナダイヤル』で弾いたりと迎撃をするが、速度と質量がともに勝っている丞一のうちゅ、じゃなかった。スタンドCQCにはなす統べないのがオチだった。
能力で時を止めるも、今度は丞一自身が出張り身丈サイズのフォーク──どこで手に入れたかは聞いてはいけない──を槍のように扱い応戦する。
しかし、十秒、二十秒と時は過ぎるが一向に時は止まったままだ。だが、今見るべきところはそこではない。
「なんで、あなたは私の世界でずっと動いていられるのっ!」
自分以外が時を止めた場合、その世界の中で自分が動ける時間は限られている。承太郎も時間が止まった世界で動けるのは二秒が限界だった。しかし、丞一はそんなの知るか、と言わんばかりに動きまくっていた。丞一は咲夜が時を止めたその瞬間、ほぼ同時に自身に通常時と同じだけの重力を纏ったのだ。時間を止めるということは、空間を歪めるということ、空間を歪めるということは、重力を歪めるということ。つまり時が止まった状態イコール重力は皆無になのだ。そこで、通常と同じ重力をかけることで、丞一は咲夜の世界の中に僅か小さいながらも己の世界を展開したのだ。
そしてついに、世界に色が戻った。
その瞬間、再び世界は色を失った。
「『ダークワン・ザ・ワールド』!」
ドォォーーーーン!カチ
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