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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十二話 各々「天王山」奪取に向けて準備します。
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貴様、そのような事をしてみろ!!」
「どうなさるのです?私を殺そうというのですか?それはご無理なご判断。ご覧の通り私には部下たちがついていますし、閣下の足には鎖がついてございます。それに閣下は丸腰で私どもには武器があるのですからね。」
応えはなかったが、何とも言えない咆哮のような吐息が吐き出された。
「閣下、我々に協力なされば今申し上げたことは、ひとえに私の『失言』として処理されます。それどころか閣下ご自身の名誉も回復されるのです。」
「・・・・・・・・。」
「どうなさいますか?ご返答がなければ、我々は二度とここには戻りません。そろそろ我々にも、いえ、ブラウンシュヴァイク公爵閣下にも忍耐という物がありますので。」
「よくもぬけぬけと・・・・。」
バイエルン候エーバルトは一声うめいたが、やがて力なくうなずいた。
「・・・・わかった。卿等に力を貸そう。そのかわり――。」
「ええ。」
ベルンシュタイン中将はこらえきれないような笑みを浮かべながらうなずいた。
「結構です。閣下、あなたと従妹君の安全は保証いたしましょう。むろん、閣下が我々にお力を貸し続けていただけるのならば、という前置詞が付きますが。」
そう言うと、彼は部下たちに囚人の鎖を解くように指令した。


 地下を出てきたベルンシュタイン中将を待ち構えていたのは、フレーゲル男爵だった。
「どうだ?奴は了承したか?」
ベルンシュタイン中将は無言で頭を下げた。先ほどバイエルン候エーバルトと対話した時が嘘のような寡黙さである。
「それでいい。叔父上に逆らう愚か者はどうなるか、思い知っただろう。では、いよいよ策に取り掛かる時期が来たという事だな。」
フレーゲル男爵が傲慢と言ってもいい表情を見せる。
「はい。閣下、それについてですが――。」
そこにベルンシュタイン中将の部下がやってきた。慌ただしい様子なのは、おそらく新たな情報が入ったからに相違ない。
「ローエングラム陣営が動き出しました。」
詳細を受け取ったベルンシュタイン中将はすぐさまフレーゲル男爵に紙片を渡した。フレーゲル男爵の顔色は一変する。
「これは・・・彼奴等は本気なのか?!」
「本気でしょう。でなければこのようなことをするはずがない。これは想定とは異なる事態です。こちらもすぐに準備にかからなくては。至急ブラウンシュヴァイク公爵に目通りさせていただきたい。その後すぐさま軍務尚書、統帥本部総長、宇宙艦隊司令長官に会わなくてはなりません。」
フレーゲル男爵に伴われてブラウンシュヴァイク公爵のもとに急ぎながら、ベルンシュタイン中将は思った。敵も本気である。この戦いこそがあるいは「正念場」となりうるか、と。


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