黒衣を狙いし紅の剣製 06
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としたんですが連絡が取れなくて。なので研究所の方に行ったんですが」
今に至っているというわけか。
さて、これからどうする。ショウはなのは達にも負けぬほどの魔導師でもあるし、ファラも一緒に居る。大抵のことは自力でどうにか出来るだろう。
だが……あやつが向かったのは云わば敵の本拠地。どんな罠が張り巡らされているかは予想も出来ん。
それに魔法という力は子供であろうと大人を叩きのめすことは可能だ。故にクロエという少女の実力次第では……ショウに万が一のことも起こりえる。
「ティアナ、あなたにふたつ聞きたいことがあります。ひとつはナハトモーント家の場所は分かっていますか?」
「は、はい。そのへんもちゃんと調べてます」
「分かりました。次に……あなたはここまでどのようにして来ましたか?」
「それは……バイクですけど」
「2人乗りは?」
「大丈夫ですけど……まさか」
そのまさかだろう。
シュテルは白衣を脱いでメガネを外すと、それらをユーリへ預け持っていたコンタクトに切り替える。
「ティアナ、私を連れてナハトモーント家に向かってください」
「で、でも……シュテルさんは」
「問題ありません。実戦こそ長い間行っていませんが模擬戦なら定期的に経験しています。なのは達とやったとしてもも負けるつもりはありませんよ」
絶対的な自信と……何より普段と別人と思えるほど真剣みを帯びた瞳に意を唱えられる者は誰も居ない。
まったく……いつもこのようにしておればもっと人から尊敬されるであろうに。これは我のよく知る真のシュテル・スタークスなのだから。
しかし、少々不安なこともある。
シュテルは冷静沈着。それ故に本気で怒りを覚えた時、人よりもストッパーが効かぬ恐れがある。今のシュテルの瞳には冷たい炎が宿っているように見えるだけに、何かあれば必要以上に敵のことを責めかねん。
「ティアナよ、管理局への連絡はこちら側でしておく。あとでそちらに連絡が行くかもしれぬが、今はとにかく貴様はシュテルと共にショウの元へ迎え。何かあっては遅いからな」
「分かりました」
「シュテル……分かっておるとは思うが、何があっても道を間違えるなよ」
「ご心配感謝しますが私はもう子供ではありません。ディアーチェを悲しませるような真似はしませんよ」
「約束だからな……ティアナ、大丈夫だとは思うが何かあった時はそのときは頼む」
「はい。……シュテルさん、行きましょう」
ふたりが出て行ったのを見届けると、我は残っている者達に意識を向ける。
「ユーリにレヴィ、それにノーヴェ。貴様達は管理局に連絡を入れて詳しい事情を説明してやってくれ。我が行うより関わりのある貴様達の方が管理局が動くのも早かろう」
「分かりました」
「ディアーチェさん
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