黒衣を狙いし紅の剣製 06
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というのにちゃん付けは取れんかったし。まああやつの場合は性格的に仕方ないのかもしれんが。
「そこに都合良く我の話が来たというわけか。……それでいつから来れるのだ?」
「え……面談とかしないんですか? 一応履歴書とかも持ってきたんですけど」
「そういう手間を省くために知人を雇おうとしているのだ。それに……久しぶりに話してみたが、まあ今の貴様なら客商売もどうにかなろう」
口調に関しては我も似たようなものだからな。自分よりも年上などには敬語を使うが、基本的にそこまで口調は変えぬし。そもそも、人を不愉快にさせなければ口調などどうでも良いのだがな。口が悪くても客から愛されておる店員などは世の中に数多く居るのだから。
「何か……ディアーチェさんが優しいとか身内には甘いとか言われるのよく分かった気がします」
「別に我くらい普通……誰がそんな恥ずかしい話を貴様にしておるのだ?」
「え、割とみんなから聞きますけど。スバルとかはやてさんとか……ショウさんも言ってたような」
「もうよい。それ以上は言うな」
スバルはまあ良いとして問題は小鴉とあやつよ。
小鴉はすぐ人のことをからかいよるからあることないこと言っておる可能性がある。もう大人であり、ヴィヴィオという我らを見て育つ者も居るのだからしっかりせいと言いたいところだ。
あやつは……その手のことは割と素直に口にしよるからな。おかしなことは言ってはおらんだろうが、それが逆に恥ずかしく思えてくる。
……な、何を変に意識しておるのだ我は。少し前にヴィータがおかしなことを言われたからといって、これではまるで恋に恋する女子のようではないか。我はもう大人なのだ。ちゃんと大人としての振る舞いをしなければ……
「ディアーチェさん、何だか顔が赤いようですけど」
「な、何でもないわ! これでも食べて少し黙っておれ!」
「え、えー……まあ、いただきますけど」
今のは理不尽な気がする、のような顔をしておるがここはあえてスルーする。
確かに急に大声を上げた我も悪いが、ノーヴェも悪いからな。ここぞとばかりのタイミングで我の赤面を指摘してきたのだから。時としてスルーすることも優しさなのだぞ。
「王さま王さま〜! 今日も来たよ!」
馬鹿でかい声と共に現れたのは白衣を纏っているレヴィ。無駄に回転したりしているのは、白衣がはためいてカッコいいとでも思っておるのかもしれん。
そんなレヴィに少し遅れる形でシュテルとユーリも店の中に入ってくる。レヴィと同様に白衣を着ていることから休憩でここを訪れたのだろう。
「レヴィ、うるさいですよ。客がほぼいないとはいえ、必要以上に大声を出すのはやめてください」
「シュテルよ、注意しつつ我にケンカを売るのはやめぬか」
「何を言っているので
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